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2007/05/22(火)
プロ野球 セ・パ交流戦開幕 全カードでパのチーム勝利
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今年の楽天はひと味違うよ。みちのくにノムさんの高笑いがこだました。交流戦開幕の22日、楽天は新人・永井怜投手(22)の力投もあってヤクルトに快勝した。昨年1勝5敗と辛酸をなめた教え子の古田監督率いる古巣を一蹴。野村克也監督(71)が“師弟対決”に先勝した。この日は全6試合でパ・リーグのチームが勝利。史上3度目の“パ・リーグデー”となった。
≪孝行息子はルーキー永井≫正直な人だ。緩みそうになるほおをグッと引き締めたものの、言葉は流れるように続いた。それでも浮かれたそぶりを押し殺すあたりが“元祖頭脳派捕手”と呼ばれたゆえんか。師弟対決に競り勝って交流戦白星発進の話題を、野村監督はあえてはぐらかした。
「そんなの気にしてないよ。今、言われてやっと気付いた。やっている人には全然関係ない。ただ、言っていいか分からんが試合中には“なんで(ヤクルトは)最下位なんだよ”と口から出た。セ・リーグはそんなにレベルが高いのか?」
昨年交流戦はヤクルトに1勝5敗と惨敗。教え子率いる古巣相手の失態。意識しないはずがなかった。交流戦前の20日に「何の因果かヤクルトから。古田さんのお手並み拝見ですよ。監督に専念しているみたいだしな」と“挑発”。この日の試合前、あいさつに訪れた古田兼任監督を「大変やな」と一応はねぎらった。それでも姿がなくなると「やっぱりキャッチャーや」と捕手・古田抜きであることがヤクルト最下位の原因と分析した。
試合では“新・野村チルドレン”のルーキー3人が古巣撃破の立役者となった。先発の永井はソロ2本だけの7回5安打2失点でチームトップタイの3勝目。前回登板の16日、日本ハム戦(東京ドーム)は初回、5四死球を与え3失点など5回6失点KO。ベンチで指揮官から叱責(しっせき)されたルーキー右腕が、この日は無四球で切り抜けた。「プライドもあったし悔しかった。きょうはひじを上げて腕を振れた」。永井は指揮官に指摘された課題をすぐに修正し結果につなげた。2回に2点適時打を放った1番・渡辺直、好リードで永井を支えた嶋と新人3人の活躍に「監督が欲張りだから、あれだけどなあ。物足りないけど、よう頑張っとるわ」と独特の言い回しで目を細めた。
きょう23日は、これまたルーキー右腕の田中が先発して連勝を狙う。永井は「何にしても開幕は大事。いい形で田中につなげればという気持ちだった」と話した。
パ・リーグ全勝で幕を開けた07年交流戦。
「実力のパ、人気のセか?まだそんなこと言ってんのか。もう古いぞ。オレの現役の頃から言ってる。ガッ、ハッ、ハッ」。会心の白星に高笑いが止まらなかった。
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