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2007/05/20(日)
ウッズ超えた天才!石川遼が世界最年少15歳V
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マンシングウェアKSBカップ最終日(20日、岡山・東児が丘マリンヒルズGC、7072ヤード、パー72)男子ゴルフ界にシンデレラボーイが誕生した。主催者推薦で出場したアマチュアの石川遼(15)=東京・杉並学院高1年=が通算12アンダーで初優勝を遂げた。15歳8カ月でのツアー優勝は、国内はもちろん、海外にも前例がない。高校生の優勝も初めて。なにもかも記録破りの快挙に、1打差の2位に終わった宮本勝昌(34)を筆頭に、並み居るプロ勢は顔色を失った。
シンデレラボーイは、夢の世界にいた。
3打差でプレーオフの可能性を残していた宮里聖志が、最終18番(パー5)の第2打、奇跡的なアルバトロスがならなかった瞬間、石川の優勝が決まった。
「…マジで?」
途方もない快挙に、15歳の高校1年生は、それ以上の言葉が出なかった。通算12アンダー。ゴルフ界に新たな歴史を刻み込んだ。
「後続組の状況待ちっていうこともあって、優勝した実感がありません。優勝スピーチのときも涙は出たけど…。信じられない。高校3年間のうちに、ツアーで優勝したいと思っていたけど、しちゃいましたね」
幼少のころはぜんそく持ち。両親の「少しでも体が丈夫になるように」という願いで水泳教室に通った。埼玉・松伏2中では「瞬発力をつけよう」と陸上部に所属。短距離選手として走り回った。
さらに、陸上部の練習後は毎日4時間、自宅近くのゴルフ練習場でクラブを振り込んだ。その結果、3年間でドライバー平均飛距離が200ヤードから280ヤードに大幅アップした。
4月から東京・杉並学院高に進学した。松伏町の自宅からは片道2時間の通学時間を要するが、ナイター設備を整えた同校のゴルフ練習場で汗を流す。帰宅後も自宅近くで練習を続けている。
この大会は最終予選会での好成績(アマ32人中トップ)が認められ、主催者推薦で出場。5、15番で測定したドライバー平均飛距離は299.13ヤード。飛ばし屋ぞろいのプロに混じって、堂々3位に入った。
小技も切れる。グリーン周りからの巧みなアプローチで、何度もパーセーブを重ねた。加えて、強気なパッティング。同組で回った久保谷健一が「カップを外しても、すべてオーバー。1度もショートはなかった」と舌を巻いたほどだ。
大会第1日が悪天候のため中止になった影響で、最終日は2ラウンド36ホールの長丁場となったが、大学生キャディーの塘田(とうだ)隼也さん(20)が「強気でいこう」と励ましてくれた。
最大のドラマは最終ラウンドの17番(パー3)。グリーン左バンカーからの第2打が、直接カップインのバーディー。思わずバンザイのポーズが出た。
「世界中で好かれるゴルファーになりたい。プロ転向は、まだ考えていません。日本アマも勝ちたいし…。タイガー・ウッズが目標です」
そのタイガーを思わせる豪快なスイング。15歳の高校生が、映画でも描けない夢物語を実現した。
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