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2007/04/06(金)
やっぱり怪物!松坂、衝撃メジャーデビュー!10奪K初勝利
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怪物伝説の幕開けだ!! 米大リーグ、レッドソックスの松坂大輔投手(26)が、ロイヤルズ戦に先発し、公式戦初登板。全米、日本中が注目する中、7回を投げ、ソロ本塁打を浴びたものの、6安打10奪三振の1失点でメジャーデビューを白星で飾った。日本が誇る若きエースが、世界最高峰の舞台で歴史的な一歩を踏み出した。
『1億ドルの男』の看板に偽りはなかった。海を渡った日本の怪物が、メジャーの舞台で、圧巻の白星デビュー。ウイニングボールを受け取った松坂の口元からは、白い歯がこぼれた。
「日本でのプロ初登板と同じ。オープン戦で何試合も投げていたので、初登板という意識は全然、ありませんでした」
午後1時23分。気温2.2度と冷え込む中、デービッド・デヘスス外野手(27)への記念すべき第1球は、ど真ん中への93マイル(150キロ)の真っすぐ。「変化球のサインが出たら、首を振ってでも、絶対に直球を投げようと思っていました」。かねてから予告していた通りの直球で、自らメジャーデビューの号砲を鳴らした。
落札金、年俸総額と合わせ1億ドル(約117億円)の黄金右腕の初登板。球場には日米の報道陣約200人が集結。敵地とあって、約2万3000人の観衆の多数を占めたロイヤルズファンからの容赦ない大ブーイングを浴びながらも、怪物は顔色ひとつ変えない。
調子は尻上がり。四回は3者連続三振。六回にデヘススに初被弾を許したが、アレックス・ゴードン内野手(23)を、MAX154キロの直球で見逃し三振に斬って取った。
「周りの期待はうれしいものであり、ちょっと過剰じゃないかなと思う部分もあった」
すべてが初経験だった春季キャンプ。言葉の壁、慣れない練習法、チームメートの顔と名前が一致しない…戸惑いの日々。特に投球練習を1日約10分間に限定されたことは、大きなストレスとなって松坂を悩ませた。
そんな時に出会った言葉に、迷いが吹っ切れた。中華料理店での夕食後、フォーチュン・クッキーと呼ばれる“おみくじ”入りのクッキーを割ってみた。『今、自分のベストを尽くすことが、必ず次につながる』と英語で記されていた。
「これ、今のオレに合うじゃん」。メジャーでは異例の投げ込みや、居残りの遠投など、怪物流の調整法を取り入れ、急ピッチで調子を上げた。周囲の目や声を気にせず、信じるわが道を真っすぐ突き進んだ。
リトル・リーグの選抜チームで世界大会に出場して『世界』を意識。中学生の時、野茂(当時ドジャース)に刺激され、目標をメジャーに決めた。昨年12月のレ軍入団会見では「ここで投げられると信じてやってきたから、ここにいる」と胸を躍らせた。今その舞台に立ち、そして勝った。
「自分にとっても、ファンにとっても幸先よく勝ったのはよかったと思います」。ウイニングボールはスタンドで見守ってくれた夫人の倫世さん(32)に感謝の意を込めて渡した。衝撃の序章で始まった松坂の“怪物伝説”は、飛躍の第2章へ突入する。
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