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2007/04/24(火)
織原被告 ルーシーさん事件では無罪
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遺体バラバラ猟奇事件から7年。英国人女性ルーシー・ブラックマンさん(当時21)ら女性10人に乱暴し、うち2人を死亡させたとして、準強姦致死などの罪に問われた会社役員、織原城二被告(54)の判決公判が24日、東京地裁で開かれた。栃木力裁判長は、連続女性暴行事件については求刑通り無期懲役の判決を言い渡したが、ルーシーさん事件については無罪判決を下した。
この裁判で注目されていたのは、検察側が積み上げた状況証拠を裁判長がどう判断するかだった。ルーシーさんを死亡させたことを直接示す証拠はなく、死因も特定できなかった。検察側は状況証拠を積み重ねて立証したが、被告側はルーシーさんについて「乱暴は一切しておらず、死亡に関与していない」と全面否認し続けた。またオーストラリア人女性(当時21)の死因は食中毒か医療過誤とし、ほかの8人との関係も「承諾の上」とし、全事件で無罪を主張していた。 検察側は論告で「ルーシーさんの消息が途絶えるまで同行していた」とし、織原が死亡させたのは明らかと指摘。ほかの9人に対する事件も、行為を撮影したビデオテープや大量のクロロホルムが押収されたことなどから、同被告の犯行と認定できるとした。 これに対して織原の弁護側は、ルーシーさんの死因が特定できないことや死体遺棄の目撃者がいないことを列挙していた。 裁判長はルーシーさん以外については検察側の主張を認めたが、ルーシーさん事件については「死体損壊、遺棄は単独で実行したとは言えず、準強姦致死とわいせつ目的誘拐は犯罪の証明がない」と述べた。
≪公判中・服脱ぐ奇行≫ 度重なる弁護士変更 織原被告(54)は、00年12月から6年5カ月に及んだ法廷で冗舌に無罪を主張する一方、拘置所で服を脱ぎ出廷を拒否するなど不可解な行動も見せた。 織原は検察側が申請した証拠にほとんど同意せず、裁判は長期化した。その一方で、死亡したルーシーさん、オーストラリア人女性の遺族には代理人の弁護士を通じ、金銭の支払いを提示。ルーシーさんの父が昨年9月、1億円を受け取った。織原側は支払いの趣旨を「お悔やみ」と説明した。 オーストラリア人女性側は受け取りを拒んだ。また、20人の弁護団のほとんどは支払いの事実を知らされていなかった。「私が犯人との前提であり、出廷できない」。織原は、ルーシーさんの両親らが意見陳述した昨年4月の2回の公判を欠席。拘置されている東京拘置所で服を脱ぎ、洗面所にしがみつくなどして出廷を促す職員に抵抗したという。 同年12月の最終意見陳述では、予定時間をオーバーし、約2時間にわたって無罪を主張した。 現在は元仙台高裁長官の弁護士が主任弁護人を務めるが、弁護人は捜査段階から何度も代わった。織原は辞任した弁護士に報酬の返還を求める訴訟も起こした。
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