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2007/03/23(金) 世界フィギュア 浅田SP5位、安藤2位 金ヨナが首位
フィギュアスケートの世界選手権は第4日の23日、女子のショートプログラム(SP)があり、全日本選手権2位の安藤美姫(トヨタ自動車)が67.98点で2位につけた。今季グランプリ(GP)ファイナル2位の浅田真央(愛知・中京大中京高)は61.32点で5位、前回5位の中野友加里(早大)は60.62点で7位。今季GPファイナル女王の金妍児(韓国)が国際スケート連盟公認の女子歴代最高となる71.95点で首位に立ち、2連覇を狙うキミー・マイズナー(米国)は4位。
 アイスダンスはフリーが行われ、オリジナルダンス(OD)まで16位の渡辺心、木戸章之組(新横浜プリンスク)が計152.21点で15位。ODまで首位のアルベナ・デンコワ、マキシム・スタビスキー組(ブルガリア)が計201.61点で2連覇を飾った。24日は女子のフリーが行われる。
 ◇完ぺきな演技で2位…安藤、4回転サルコウへの挑戦を宣言
 世界女王の座が視界に入ってきた。前回優勝のマイズナーが自己ベストを更新しても4位止まりというハイレベルな争いの中、安藤が完ぺきな演技で2位につけた。
 冒頭に3回転ルッツ−3回転ループの大技を決め、続く3回転フリップも成功。ストレートラインステップに入る直前、「シェエラザード」の曲に合わせて「シェエラザードのお姫さまになった気分で表情を作った」という微笑を浮かべた後、両手を大きく動かしながらステップを踏み、観客の手拍子を誘った。最後はI字スピンで締め、自己ベスト(67.52点)更新の67.98点を出した。
 昨年12月下旬の全日本選手権で右肩を負傷し、2週間は練習はもちろん、寝返りもうてなかった。今大会前にスケート靴が合わず、ジャンプ練習も不十分。「体力面の不安があり、緊張していた」と明かす。右肩の影響でビールマンスピンも封印せざるを得ない状況にも、「今の自分ができることをしよう」と自らに言い聞かせた。重圧に負けて15位と惨敗したトリノ五輪当時とは別人のようなたくましさ。五輪後は食生活を管理して体を絞ってきたが、世界選手権の大舞台で見事にトリノの汚名を返上した。

 「東京の世界選手権で自己ベストを更新できてホッとした」と、久しぶりに笑顔を振りまいた安藤。フリーに向けて「今大会がゴールではない。今季最後の試合なのでやりたい」と、4回転サルコウへの挑戦を宣言。心身両面で成長した安藤が、女子で世界唯一の大技で金メダルを狙う。
 ○…初優勝の期待がかかる浅田は、冒頭の3回転ルッツを決めたが、続く3回転フリップ−3回転ループの連続ジャンプで、ループが1回転となるまさかのミス。不本意な演技で5位と沈み、今季、SPで首位を逃したのは5試合目で初めて。ジャンプの失敗について、「フリップは良かったけど、その後の踏み切りが一歩遅れてしまった」。ライバル・金には10.63点の大差をつけられ、目標の200点台での初優勝も厳しくなってきた。それでも浅田は「パーフェクトな演技で200点台を出したい」と強気に締めくくった。
 ○…GPファイナル女王の金妍児が71.95点を出してSP首位。サーシャ・コーエン(米国)が03年スケートカナダで出した71.12点を上回る女子歴代最高だ。最初の3−3回転連続ジャンプは抜群の美しさで、イナバウアーからのダブルアクセル(2回転半)でも観客を魅了。「スパイラルで少しバランスを崩したので、期待以上の点数でうれしい」と笑顔を浮かべた。腰のヘルニアについては「来日直後は痛かった。前日から痛みが消えたが、油断しないようにしたい」と不安を残しているが、フリーに向けて「ベストを尽くし、結果に欲を出したい」と初出場初優勝を誓った。
 ○…中野は無難な演技で自己ベスト(59.62点)を更新する60.62点を出したが、あまりにもハイレベルな戦いのため7位にとどまった。「やれるだけのことをやって満足している。自分の滑りができた」と納得顔だ。今季はスケーティングや表現力などに進歩を見せているが、表現力などを問うプログラム構成点で5項目のうち4項目が6点台にとどまり、ジャッジへのアピールがまだ不足しているようだ。


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