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2007/03/17(土)
地下鉄サリン事件 12年…被害者や遺族ら支援訴える集会
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12人が死亡、5500人余が負傷した地下鉄サリン事件(95年3月20日)から12年を迎えるのを前に、被害者や遺族、弁護士ら約60人が17日、東京都内で支援を訴える集会を開いた。遺族らに公的補償がないことや、一命を取り留めた被害者に新たな健康被害が出ている実態を明らかにし「私たちは置いてきぼり。経済、医療での公的支援が必要」と訴えた。 集会は「地下鉄サリン事件被害者の会」や被害対策弁護団が主催。同会世話人の高橋シズヱさん(60)は講演で、国からの補償がないことや、今になって薬の副作用で頭痛を起こす被害者がいることを説明。「私たちは何も悪いことはしていない。100%被害を回復されて当然なのに」と訴えた。 被害者の会は今年、事件にかかわった人たちの手記を集めた「私にとっての地下鉄サリン事件」(130ページ、非売品)を発行した。「被害者が社会から孤立している」と懸念した会が、一般の人が事件を今どう受け止めているのか手記を募ったのがきっかけ。松本サリン事件の遺族、いつもなら通勤であの地下鉄に乗るはずだった男性、オウム真理教(アーレフに改称)の元出家信者ら54人が思いを寄せた。2000部を発行し、関係者に配布する予定だ。 集会では、執筆者が手記を朗読。事件の被害で全身まひと言語障害が残った叔母を持つ中学生の浅川祐圭(ゆうか)さんは「叔母は大きな傷を負いながら生きていく。明るい未来を返して。人を傷付けることに何も意味がない。でも一人一人が考え方を変えれば、傷つく人が減る」と手記を読み上げ、参加者はじっと聴き入っていた。
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