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2007/03/14(水)
鈴木ヒロミツさん、肝細胞がんで死去…歌手、俳優などで活躍
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グループサウンズ、元「ザ・モップス」のボーカルで、俳優としても活躍したタレントの鈴木ヒロミツ(すずき・ひろみつ、本名=弘満)さんが14日午前10時2分、肝細胞がんのため東京都千代田区の病院で亡くなった。60歳だった。今年1月はじめにがんが見つかり、余命3カ月の告知を受けた。「家族と一緒に過ごしたい」と望み、延命治療を拒否。自宅療養を続けていたが、力尽きた。
「雄大、雄大…」。この日朝、鈴木さんは、意識が混濁する直前まで、大学2年生のひとり息子、雄大(ゆうだい)さん(20)の名を呼び続けた。
その後、夫人の美枝子さん(54)と雄大さんの呼びかけに、「うん、うん」とうなずくものの言葉を返すことはなく、2人に看取られ眠るように息を引き取った。
所属のホリプロによると、鈴木さんは昨年12月末に腹痛を訴え、1月に入り都内の病院で検査を受けたところ、がんが発見された。すでに、手の施しようがなく、本人と家族に余命3カ月と告知されたという。
別の医師の意見を求め、今年1月中旬まで、都内の病院を回ったが、無情にも結果は同じ。鈴木さんは、延命治療のための入院はせず、残された日々を家族とともに過ごすことを決意した。
以後仕事は入れず、痛み止めを飲んで、週1度の通院で経過を診てきたが、がんの進行が進み、家族の希望もあって今月13日に入院した。
酒豪で芸能界屈指の食道楽。「食べることに関しては異常にどん欲です」と語り、平成14年には、自身が味わった絶品料理を紹介するエッセー「食わずに死ねるか!」を出版したほど。宴席の後、ラーメン店のはしごはあたり前という大食漢でもあったが、「病気? 聞いたことがない」(ホリプロ)。健康体であることを鈴木さんも、周囲も疑わなかった。
多くのGSバンドの中でも鈴木さんの歌唱力は抜群で、井上陽水(58)が前座を務め、松任谷由実(53)が中学時代に追っかけをするなど、心酔するアーティストは多かった。
後年は、とぼけた味のある個性派俳優として活躍。最近では、16日放送のフジテレビ系「所轄刑事3」(後9・0)、5月公開のオムニバス映画「歌謡曲だよ、人生は」の中の2作に出演した。
最後の仕事は、昨年12月20〜23日に九州でロケを行ったテレビ九州の旅番組「きらり九州」(今年1月13日放送)。大分県を訪れ、ご当地名物に舌鼓を打った。“食道楽”らしい仕事納めだった。
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