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2007/11/25(日)
千代大海休場…締まりのない千秋楽 「熱戦を展開」に観客苦笑
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千代大海休場により優勝争いの興味は消えた。連覇が難なく転がり込んできた白鵬は結びの一番で琴光喜に裏返される屈辱的黒星。昭和3年に不戦勝制度が確立して以降、不戦敗が賜杯の行方を決めるのは初。不祥事続きだった角界の1年を象徴するような締まりのない千秋楽となった。
千代大海の休場がアナウンスされると、場内はため息に包まれた。北の湖理事長(元横綱北の湖)が「今場所も力士が熱戦を展開」とあいさつすると、観衆の苦笑が広がった。
千代大海の師匠、九重親方は「残念ながら休場した」と説明したものの、大事な一番を取らずに場所を終えた弟子に対し、苦々しくも思っているだろう。十両時代の親方は取組中に左腕を脱臼しながらも、右腕一本で寄り切った。貴乃花親方(元横綱貴乃花)は平成13年夏、右ひざ亜脱臼を押して優勝決定戦に臨み優勝を飾った。
不可抗力で故障した千代大海に、「はってでも出ろ」と望むのは酷かもしれない。しかし、ファンが求めているのは、気迫そのものである。角界全体がぬるま湯体質ゆえに、力士の気力もなえつつあるのか。
八百長疑惑が裁判沙汰となり、時津風問題も司直の手に委ねられている。朝青龍騒動では横綱地位を汚した。土俵外のトラブルは未解決で、北の湖理事長が繰り返す「土俵の充実」も図られない。角界の迷走が続く。
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