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2007/11/21(水)
反町ジャパン北京五輪出場決定!主将・水本が歓喜の独占手記
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北京五輪アジア最終予選(21日、国立競技場)やった! 北京だ!! U−22日本代表はU−22サウジアラビア代表との直接対決に0−0ドロー。勝ち点を11としてC組1位となり、4大会連続8度目の五輪出場を決めた。東京五輪会場だった国立競技場の聖火台の炎が見守る前で、つかんだ北京切符。主将のDF水本裕貴(22)=千葉=が、独占手記でその喜びを語った。
「うれしくて、言葉にできず涙が出た。最終予選でキャプテンを任され、プレッシャーがあった。カタール戦(10月17日)に負けて、最後、こういう形で終われて、全部の感情がわき出た。今まで反町さんの下で積み重ねてきた練習のおかげ。今日はサポーターの応援もあったおかげだと思う」
試合終了の瞬間、思わず両手を合わせて天を仰いだ。涙が止まらない。主将の水本はフェースガードの上から顔を両手で覆った。
「ベトナム遠征前にひざを痛め、さらにその試合で鼻骨骨折。精神的にも肉体的もきつい時期もあった。でも弱音ははかないと決めていた」
「国を背負ってやるわけだから、責任があると思った。昨年、巻さん(千葉FW)や阿部さん(前千葉で現浦和MF)がチームとA代表できつい日程をこなしていたのを間近で見ていました」
勝利を、ゴールを求めて攻めてくる相手を、体を張って止めた。苦しいときはサウジ戦前に全選手、スタッフから寄せ書きをしてもらったキャプテンマークを見ながら歯を食いしばった。2人の大先輩の姿も、力をもたらしてくれた。
「巻さんや阿部さんは、疲労や故障を抱えながらプレーしてたけど、弱音を聞いたことがなかった。いつも強い気持ちで戦っていた。特に阿部さんは今年、リーグ、代表に加えてACLとかなりきつい日程の中でも戦う姿勢を崩さなかった。10月20日に対戦したときには、わざわざ『がんばれよ』と励ましてもらい一層、負けられない気持ちがあった」
16日にA代表のイビチャ・オシム監督(66)が脳梗塞(こうそく)に倒れた。病魔と闘う恩師に、朗報を届けることができた。育ててくれた恩人への感謝の気持ちは、人一倍だ。
「オシムさんが倒れたと聞いたときはかなり動揺した。頭がぼーっとして何も考えられなくなった。オシムさんが夢に出てきた。ぼくがプロになって初めての監督、自分を育ててくれた人。オシムさんに朗報を届けるため、必ず北京に行くぞという気持ちが強くなった」
「実はぼくの祖母2人も脳梗塞をやってるので、オシムさんがどんな状況か想像できる。今は、早く良くなることを祈るしかない。シーズンが残っているので見舞いはその後、状態を見てから。オシムさんは本当の“プロ”、最後までしっかり戦うことを望むはずだ」
4万を超える大歓声が止まない国立競技場。ウオーターファイトのあと、フェースガードを外した水本は仲間たちと抱き合った。瞳は濡れたまま。念願の北京。日本のサッカーを、自身の力を、世界で試す絶好の機会となる。主将はまっすぐ前を向いた。
「オシムさんが見てたら、まだまだダメだなと言われてると思う。病気から回復したら、成長した姿をみせたい」
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