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2007/11/16(金)
オシム監督 急性脳梗塞で入院 自宅でTV観戦後に倒れる
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サッカー日本代表のイビチャ・オシム監督(66)が16日未明、千葉県内の自宅で急性脳梗塞(こうそく)で倒れ、同県浦安市内の順天堂大浦安病院に入院した。日本サッカー協会の川淵三郎キャプテンが16日夕、東京・本郷のJFAハウスで緊急会見して明らかにした。集中治療室(ICU)に入り治療中で、病状は不安定という。たとえ回復しても後遺症などが残ることが多く、これまで同様に指揮を執るのは難しいとみられる。来年2月に2010年南アフリカW杯3次予選を控え、日本サッカー界に衝撃が襲った。 川淵キャプテンによると、オシム監督は16日午前2時ごろ、自宅で英・プレミアリーグの試合をテレビ観戦し、2階へ上がった後にこん倒。アシマ夫人が異常に気づき、息子でJ1千葉のアマル監督が付き添い病院に搬送された。その後は集中治療室に入り、脳神経内科・脳神経外科医師団の田中茂樹教授を中心に、全身管理などの治療にあたった。 川淵キャプテンは「急性期のため症状は不安定。かなり厳しい状況です」と深刻な状況を説明。「今は代表チームがどうこうよりも、オシム監督に治ってほしい…。命を取り留めてほしい…」と涙ながらに声を絞り出した。会見後はオシム監督を見舞うため病院へ向かったが、本人と面会することはできず病院を後にした。病院前には一時、50人を超える報道陣が集結し、事態の深刻さを物語った。 オシム監督は14日にアジアチャンピオンズリーグ決勝の浦和-セパハン戦(埼玉)を視察。15日にも習志野市内で行われた千葉と大学生の練習試合を視察するなど、精力的に動いていた矢先だった。 65歳だった昨年7月、代表監督に就任するに当たって、高齢と心臓に持病を抱える健康面の不安が指摘されていた。日本協会は毎月1回のペースで健康診断を受けてもらうなど体調面を配慮。「100%健康というわけではないが」(田嶋専務理事)、これまでも異常は発見されていなかったという。遠征時などは「投薬についてもドクターや近くにいる者が(薬を)持つなど、万全の準備をしてきた」と、強調した。 ただプロ野球の長嶋茂雄元巨人監督も04年3月に脳梗塞に倒れ、1カ月半で退院したものの8月のアテネ五輪は断念した。この病気は一般的にまひなどの後遺症が出ることが多いうえ、再発の恐れを常に抱える。このためストレスが多く激務の代表監督に早期に復帰し、これまで同様に指揮を執るのは難しいとみられる。おりしも10年前の11月16日は日本が初めてW杯出場を決めた日。来年2月には南アフリカW杯3次予選がスタートする矢先、日本サッカー界に激震が走った。
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