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2007/10/16(火)
女児死亡 閑静な住宅街に突然の悲鳴…衝撃広がる
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また、幼い命が凶刃の犠牲になった。兵庫県加古川市で起きた小学2年の女児刺殺事件。閑静な住宅街に、何者かに胸や腹部を刺された同市別府町新野辺の鵜瀬柚希(うのせゆずき)ちゃん(7)の悲鳴が響き渡った。なぜ、最も安全なはずの自宅前でこんな悲劇が起きるのか。近所、学校、同級生らの間に衝撃が広がった。 ■現場 「キャー」。柚希ちゃん宅の向かい側に住む男性会社員(35)は、体調を崩して自宅で寝ていたが、子どもの叫び声で目が覚めた。窓から外をのぞくと、玄関先で女の子が倒れていた。祖母とみられる女性が「大丈夫。救急車が来るからね」と励ましていた。男性会社員は「4歳の娘や2歳の息子とも一緒に遊んでくれるやさしい子だったのに……。恐ろしい」と声を震わせた。 近所の女性(46)には事件直後、柚希ちゃんの祖母から電話があった。祖母は柚希ちゃんが刺されたことを伝えた後、「悔しい」と声を振り絞ったという。 近所の人の話では、柚希ちゃん宅は祖父母と母親、3人姉妹、母親の兄弟2人の計8人暮らしで、父親とは一緒に住んでいなかったという。 柚希ちゃんは明るくて愛想がよく、あいさつがきちんとできる子どもだった。毎朝、母親や祖母が自転車で柚希ちゃんら3姉妹を学校まで送り、夕方には迎えに行っていたという。 柚希ちゃんの同級生の母親(37)は「活発で明るい、身長120センチくらいの可愛らしい子だった。先月の運動会では柚希ちゃんとうちの娘が一緒にダンスをした。子どもを持つ親としてショック。明日、娘も事件を知ってショックを受けるだろう……」と言葉を失った。 ■不審者? 近所に住む小学2年の男児は事件の直前、柚希ちゃんの自宅近くの交差点で上下とも作業服姿の太った若い男を目撃した。午後5時前から少なくとも30分以上はウロウロしていたため、不審に思ったという。 一方、近所のお年寄りたちは「普段は静かなところで、不審者の話は聞いたことがない」と口をそろえる。加古川市防犯協会の池田正信・別府支部長(79)も「小学校の登下校の際にPTAや地域の人たちが見守り活動をしているが、事件が発生した午後6時には終わっていた」と話した。 事件を受け、加古川署は今後の防犯体制として、市教委や各学校に当分の間の集団登下校や、PTAによる警戒、地域のパトロールなどを要請する方針を明らかにした。同署は、不審者情報などを市教委に提供したり、署員を重点的に通学路に動員して警戒を強めるという。 ■学校は 柚希ちゃんが通っていた市立別府小学校では、校舎2階に電灯がともり、教師らが慌ただしく出入りした。また、乗用車や自転車で数人の保護者らが駆け付け、こわばった表情で校内に入るなど、緊迫した雰囲気に包まれた。電話で応対した同小職員は「一切話せない」と答えた。
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