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2006/08/19(土)
漁船銃撃拿捕 盛田さん遺体、根室港へ戻る
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ロシア国境警備隊による日本漁船銃撃・拿捕(だほ)事件で、外務省の山中アキ子政務官らは19日午前、漁船が連行された北方領土・国後島に上陸し、銃撃で死亡した盛田光広さん(35)の遺体の引き渡しを受けた。山中政務官らは、拘束されている坂下登船長(59)ら乗組員3人とも面会し、銃撃・拿捕されたときの状況や健康状態を聞いた模様だ。海上保安庁の巡視船「さろま」に遺体を収容し、同日昼過ぎに国後島を出発した。午後2時ごろ、北海道の根室港に戻った。 山中政務官らは18日午後、根室港を出発し、同日夕方には国後島古釜布(ふるかまっぷ)の沖合に到着したが、悪天候のため上陸できず、巡視船で待機していた。 19日午前8時過ぎ、しけの中をロシア側の用意したはしけで古釜布港から上陸。坂下船長らが拘束されているホテル「友好の家」(通称・ムネオハウス)で、坂下船長ら3人と約10分間、面会した後、盛田さんの遺体を引き取った。 山中政務官は3人との面会に先立って、サハリン州国境沿岸警備局のジャブレーエフ次長らと会談し、3人の即時解放を求めたが、ロシア側は国境侵犯と密漁容疑で坂下船長の刑事手続きを進める方針を示したとみられる。船長以外の2人は先に釈放される可能性もあったが、19日は釈放されなかった。 盛田さんの遺体は根室港に帰還後、検視が行われる。 事件は16日未明、貝殻島付近の海域で発生した。根室湾中部漁協所属のカニかご漁船「第31吉進丸」がロシア国境警備隊に銃撃・拿捕され、盛田さんが頭を撃たれ死亡した。 北方領土周辺で、ロシア側が日本船を銃撃し、死者が出たのは50年ぶり。日本政府はただちにロシア側に抗議し、盛田さんの死亡について謝罪と責任者の処罰を求めているが、ロシア側は「事件の責任の大部分は船長にある」と主張している。タス通信によると、ロシア最高検察庁は坂下船長に罰金刑が下されるとの見通しを示している。 ◇ ◇ 外務省筋によると、山中政務官は遺体と共に根室港に戻り、乗組員の遺族・家族に遺体引き取りや面会の様子を報告した後、根室市内で記者会見を行う予定だ。
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