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2006/08/04(金) 原巨人ついに最下位、貯金14から転落
<横浜2−1巨人>◇4日◇東京ドーム
 あぁ、巨人よ…。原巨人がついに最下位に転落した。横浜吉見を打てず、ディロンの1発の1安打では勝てるわけもない。8月時点で最下位は75年、97年の過去2度しかなかった屈辱を9年ぶりに味わった。しかも開幕ダッシュで積み上げた貯金14からの最下位への急降下は、プロ野球史上最大の転落劇となった。
 厳しい現実の前に、原監督の両目は、いつも以上に赤く、充血していた。全身から沸々と、悔しさ、怒りをにじませて、会見場に現れた。最下位転落の質問に、激情を押し殺し、はっきりした口調で応えた。
 原監督 こういう(負けたら最下位に落ちる)ゲームとは、選手も当然分かっていた。今日の一挙手一投足を、監督としてしっかり記憶の中にとどめていかないといけない。内容の良くない凡打が、あまりにもあり過ぎる。
 今季未勝利だった横浜吉見に、8回1安打。最後はクルーンに3者連続三振。相手のペースにのみ込まれる、弱者の戦いざまだった。唯一の安打はディロンの2号ソロ。これまで攻守で足を引っ張ってきた、ほぼ戦力外の存在だった男の1本だけとは、あまりにも皮肉だった。
 走攻守、すべての面での「あと一歩」の積み重ねで、落ちるところまで落ちた。8回2死三塁。金城の詰まった打球は、中前に無情に落ちた。セカンド木村拓の懸命の背走も、届かない。今季何度目の「あと1歩」だろう。4月首位快走も、黒星続きとなった5月以降は、この繰り返し。原監督が指摘していた戦力不足を露呈する日々が続いた。ここまで最下位だった横浜にも6連敗。落ち着くべき順位なのかもしれない。
 原監督は会見でさらに、こう続けた。「今後のチームをつくるという中で、今日は非常に意義のあるゲームととらえ、判断していこうと思っている」。監督の言う「今後」は来季のことにほかならない。これまでは1戦1戦、目の前の戦いに集中するというスタンスを貫いてきた。公の場で未来を語るのは初めてのこと。
 チーム改造への決意だった。すでに留任が確認されており、敗戦の中でも周囲に「強いチームをつくろうな」と話し、再建への情熱は冷めることはない。残るシーズンの戦いは、来季構想の判断材料にもなっていく。球団史上3度目の8月の最下位。史上最大の転落劇は、新たな戦いへのスタートでもある。ただし、この日家路に就く原監督の背中は、間違いなく泣いていた。


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