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2006/08/28(月)
徳山工業高専で女子学生殺害
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自作ロボットの性能を競う「高専ロボコン」の常連校として全国的にも有名な国立徳山工業高専(山口県周南市)の研究室で28日、土木建築工学科5年の中谷歩さん(20)が死亡しているのを同級生らが発見。首にはひものようなものが巻かれていた。同校は夏休み期間中。自主登校中に起きた惨劇で、のどかな山間の校舎は「早く犯人を捕まえて」と恐怖に包まれた。
中谷さんは28日午前10時ごろ、同級生の女子学生とともに登校。31日まで夏休みだったが、卒業研究のために自主的に登校した。校内には部活動や、9月4日から始まる試験のために多くの学生がいたという。
学校に到着してからは同級生と別行動。昼食は友人と取る予定だった。ところが、午前11時ごろから中谷さんと連絡が取れなくなり、同級生や教職員が数人で行方を捜していたところ、午後3時ごろ、女性職員(26)が校舎3階にある女性助教授の研究室で遺体を発見。中谷さんら、学生5人が所属している研究室だが、助教授は海外出張中で学生だけで立ち入ることは禁止されていた。
中谷さんは仰向けに倒れており、首にはひものようなものが数回巻かれていた。約16平方メートルの部屋の窓は閉じられ、室内に荒らされたような跡はなかった。
山口県警は殺人事件と断定、周南署に捜査本部を設置した。
この日、複数ある入り口のうち、正門だけが開いていた。警備員はおらず、人の出入りは自由な状態だったという。
中谷さんはインターネットの会員制サイトに日記を公開。熊本県で同名の女性が殺害されたことをニュースで知り「怖くなりました。みんな知らない人についてっちゃダメだぞ」と記していた。
中谷さんは明るい性格で、友人からも慕われていたという。同校の野球部のマネジャーを務める傍ら、学業も優秀で、将来の夢は建築家。「自分が住む家を自分で造りたい」と語っていた。
のどかな文教地区で白昼に発生した凶行に、付近の住民たちも動揺を隠せない様子。パートの女性(51)は「犯人が分からずにまだ逃げているというので気味が悪い」と声を震わせる。主婦(57)は「ただ、びっくりしている。事件などない場所なのに…」と表情をこわばらせていた。中谷さんの自宅がある同県防府市の主婦は「ピアノが上手できれいな人だった。雨の日はお父さんが車で送っていた。大事にされていたのに」と声を詰まらせた。
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