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2006/08/30(水)
東京が16年五輪国内立候補地に決定…目指すは「世界一コンパクトな大会」
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2016年夏季五輪の国内立候補都市は東京都に決定−。日本オリンピック委員会(JOC)は30日、都内のホテルでJOC役員25人、国内競技団体代表者30人の計55人の選定委員による投票を行い、東京都が33票を獲得、福岡市の22票(無効0票)を上回り、国内立候補都市に決まった。国際オリンピック委員会(IOC)による開催都市決定は09年10月。夏季五輪が東京で開催されれば1964年以来、52年ぶりとなるが、海外でも有力な都市が立候補の準備を進めており、厳しい戦いが予想される。
日本代表は東京都に決まった。投票前には「東京に大きな仕事をさせてください。東京の命、預けます」と演説した石原慎太郎都知事(73)は「ホッとしたよ」と胸をなでおろした。
財政力と世界的知名度で戦前から優位とされていた。そしてこの日、プレゼンテーションでプロ野球、ヤクルトの古田敦也監督(41)や社会人野球のクラブチーム、茨城ゴールデンゴールズの萩本欽一監督(65)を起用しダメを押す形となった。
半径10キロ圏内に28競技中26競技の会場を配置する「世界一コンパクトな大会」を掲げ、国内候補地に決定。しかし、JOC関係者は喜色満面というわけではない。決定後の会見で竹田恒和会長は「これから世界の都市と厳しい競争が行われる」と表情を引き締めた。IOC委員の岡野俊一郎氏は「今日のような(プレゼンの)ビデオでは世界で勝てない」。また、評価委員会の林務委員長が交通渋滞や競技施設に関する問題点を挙げるなど、課題は山ほどあるといえる。
五輪問題に詳しいスポーツジャーナリストの谷口源太郎氏は、08年に北京五輪が行われ、8年後に再びアジアで開催することの難しさを指摘。「北京が終われば、IOCの目はまだ大会を開催していない南米やアフリカに向いてしまう」さらに、14年冬季五輪でも韓国の平昌が最終候補3都市に残っており、開催が決まれば「(東京の)可能性は限りなくゼロに近い」とした。
海外では五輪の巨大市場で今回の最有力ともされる米国のサンフランシスコ、ロサンゼルスなどに加え、南米初の開催を目指すリオデジャネイロ(ブラジル)、欧州ではマドリード(スペイン)なども招致に意欲を見せている。JOC役員はこの日、東京都に敗れた場合に20年も出馬する意思を確認。16年大会招致は20年の伏線とも取れるが、谷口氏は「財政的に続けての立候補は難しい」と分析する。88年大会の名古屋、08年大会の大阪の惨敗を受け、「世界で勝てる都市」として選ばれた東京の本当の戦いはこれからだ。
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