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2006/07/27(木)
谷垣氏 立候補表明 総裁戦スタート「消費税10%必要」
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谷垣禎一財務相は27日午前、自民党谷垣派の臨時総会で、9月の党総裁選への立候補を正式に表明した。午後に党本部で記者会見して、アジア外交の立て直しなどを柱とする政権構想の概要を発表、消費税率を5%引き上げて10%程度にする必要性や、首相に就任した場合に靖国神社に参拝しないことなどを訴える。一方、「ポスト小泉」最有力候補の安倍晋三官房長官は、政府の「再チャレンジ支援策」推進のため同日午後から岩手県を皮切りに全国行脚を開始する。総裁選は9月8日告示、同20日投票に向けて、選挙戦が事実上、スタートした。 臨時総会で、谷垣氏は「午後に記者会見し、総裁選に立候補する考えを天下に明らかにする。大事な選挙だ。小泉政権5年間を引き継ぐものは引き継ぎ、改めるものは改める。全身全霊を燃やし尽くして戦いを乗り切っていく」と正式に出馬を表明した。 これに先立ち谷垣氏は、首相官邸で小泉純一郎首相と会談し「財政問題、靖国問題を多少申します。首相の考えにすべて沿うかわかりません」と「小泉路線」と一線を画す姿勢を伝達。首相は「思い切ってやったらいい」と激励した。会談後、谷垣氏は記者団に「辞めるなんてことを(首相に)言ってきたわけではない」と財務相辞任を否定した。 また27日朝のフジテレビの番組で谷垣氏は、消費税率引き上げについて「2010年代半ばまでのできるだけ早い時期に5%上乗せして、10%くらいのことは覚悟しておかないといけない」と初めて引き上げ幅を明示した。靖国神社参拝に関しては「総裁になったら控えたい」と首相としての参拝自粛を明言した。 午後に公表する政権構想の概要では、国民と国家が信頼関係で結ばれる「絆(きずな)」構築を基本的理念とし、アジア外交の立て直し▽財政再建▽地方活性化−−を重点公約に掲げる。 福田康夫元官房長官の不出馬表明で安倍氏の総裁選出が有力視されるが、谷垣氏は内政・外交両面で「小泉路線」を継承する安倍氏との違いを鮮明にし、福田氏支持層を取り込みたい考えだ。 谷垣派の所属議員数は谷垣氏本人を含めて15人で、立候補に必要な20人の推薦人確保が最優先課題。確保できた場合にも派閥の枠を超えた支持獲得が必要となり、多数派工作に不安を抱えたままの船出となる。 正式出馬表明をしたのは谷垣氏が初めて。8月下旬に出馬表明を予定している安倍氏は同日午前の記者会見で谷垣氏の出馬について「党のためにもいい」と歓迎の意向を示した。麻生太郎外相は同月20日前後に立候補を正式表明する予定。河野太郎副法相や鳩山邦夫元労相も立候補への意欲を示している。
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