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2006/06/06(火)
村上容疑者 フジへの売却も画策 ニッポン放送株
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証券取引法違反(インサイダー取引)容疑で逮捕された「村上ファンド」代表、村上世彰(よしあき)容疑者(46)が04年11月、ライブドア(LD)からニッポン放送株を大量取得する意向を聞いた直後、フジテレビによる同放送株の公開買い付け(TOB)への協力を約束していたことが分かった。敵対する両社をてんびんに掛け、最後はLDに高値で引き取らせていた。当初から高値売却が目的だったことが鮮明になった。 東京地検特捜部の調べによると、村上ファンドは03年6月にニッポン放送株を取得して大株主となったが、04年夏ごろには売り抜けに苦慮していた。このため同年9月15日、LD前社長の堀江貴文被告(33)=証取法違反で起訴=らに「同放送株を17%持っている。LDが3分の1(約33%)取得すれば、議決権行使に協力する」などと持ち掛けた。LD側は資金繰りなどを検討して同年11月8日、村上代表側に大量取得の意向を伝えた。
◇ライブドアと両にらみ
ところが、この2日後の同10日、村上代表の側近がフジの幹部と面談。幹部が「3月までにTOBを行えば応じるか」と尋ねたことからフジがTOBを実施する意向を知り、村上代表はフジに協力を約束した。 05年1月17日、フジがニッポン放送株のTOB内容を公表したところ、買い付け価格(5950円)は村上代表の予想よりも安かった。このため村上代表は堀江前社長に「保有分のうち10%程度買ってくれないか」と要請。LD側は議決権行使で協力を得られればよかったため買い取る必要はなかったが、要請を断れず1株6050円で買い取ったという。 村上代表は5日の記者会見で、同放送株の買い付けについて「ニッポン放送をあるべき姿にするため」などと説明し、高値売却目的であることを否定していた。
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