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2006/06/05(月)
<インサイダー取引>村上代表を逮捕 事前に株取得情報
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東京地検特捜部は5日、「村上ファンド」代表、村上世彰(よしあき)容疑者(46)を証券取引法違反(インサイダー取引)容疑で逮捕し、証券取引等監視委員会と合同で関係先を家宅捜索した。ライブドア(LD)によるニッポン放送株大量取得の情報を事前に知ったうえで04年11月〜05年1月、同放送株193万余株を違法に買い付けた疑い。LD前社長、堀江貴文被告(33)=証取法違反で起訴=に続き、証券市場を騒がせた「時代の寵児(ちょうじ)」の刑事責任が問われる事態に発展した。 村上代表は、当初の否認から転じて容疑を認め、5日の会見でも経緯を説明したが、特捜部は「捜査で判明した内容とは大きく違う」と判断。全容解明のため逮捕に踏み切った。ただし、村上代表がインサイダー取引自体は認めたことで、当初逮捕する方針だった側近3人については任意で調べを続ける。 調べによると、村上代表は側近らと共謀。04年11月8日、LD側からニッポン放送株(当時東証2部)の5%以上を取得するとの決定を聞き、その公表前に利益を得ようと企て、翌9日〜05年1月26日、計193万3100株を約99億5000万円で買い付けた疑い。 証取法では、5%以上の株式取得を「公開買い付け(TOB)に準じる行為」と規定し、その情報を事前に知ったうえで購入することを禁じ、違反すれば3年以下の懲役か300万円以下の罰金と定めている。 村上代表はこれに先立ち04年9月15日、既に買い進めていたニッポン放送株の処理に困り、堀江前社長や前財務担当取締役の宮内亮治被告(38)=同=に、一緒に同放送株を取得するよう要請。この際「私が17%持っているので、LDで3分の1(約33%)取得すれば同放送を入手できる。ひいてはフジテレビも支配できる」と持ち掛けた。この直後に、LDは資金繰りを検討して経営権獲得に乗り出すことを決め、11月8日に宮内前取締役らが村上代表側に伝えた。 村上代表は5日の会見で「LDの情報を基に利益を上げる意図はなかったが、宮内さんから『やりましょう』と聞いてしまったことが証取法違反に当たる」と説明。特捜部は「過失犯のようなことを言っているが事実と違う。当初から利益目的の仕掛けだったことは明らか」とし、インサイダー取引で30億円以上の利益を得たとみている。
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