|
2006/05/04(木)
＜平塚５遺体＞１遺体が不明長男と体格酷似 逮捕の母を追及
|
|
|
神奈川県平塚市のアパートで男女２人と子ども３人の遺体が見つかった事件で、このうち男児とみられる１遺体が、２２年前に行方不明になった岡本千鶴子容疑者（５４）＝殺人容疑で逮捕＝の長男利英さん（当時６歳）とほぼ同じ体格と分かった。岡本容疑者は当時「１人で遊んでいたら行方が分からなくなった」と県警平塚署に捜索願を出していた。同署捜査本部は岡本容疑者が詳しい事情を知っているとみて追及するとともに、ほかの子どもの遺体を含めて身元確認を急ぐ。岡本容疑者は４日、横浜地検に送検された。
調べでは、長男は岡本容疑者とアパートで死亡していた山内峰宏さん（３５）の父親（９７年死亡）との間に生まれ、岡本容疑者が殺害した疑いが持たれている利加香（りかこ）さん（１９）の兄に当たる。
当時の岡本容疑者の届け出などによると、長男が行方不明になったのは８４年１２月２８日午前１１時ごろ。買い物から帰ってくると、自宅の車庫内でサッカーボールで遊んでいた長男がいなくなっていたという。
長男は当時、身長約１２０センチ。現場アパートで見つかった男児の遺体も司法解剖の結果、身長約１２０センチとみられている。長男は上前歯２本が欠けるなどしていた。遺体は腐敗が激しいことから、捜査本部は慎重に関連を調べている。
◇被害者生存装いメールか
一方、利加香さんが殺害されたとみられる昨年１０月１２日以降も「受験で忙しいから連絡できなくてごめん」「母が亡くなり、葬儀で忙しい」など利加香さんを装ったメールが１０〜２０通程度、所属していた演劇サークルの複数の友人に送信されていたことが分かった。
友人によると、昨年１０月１２日前後に利加香さんとの連絡が途絶えたが、数日後から演劇サークルのメンバーの携帯電話にメールが届くようになった。以前は数分で返事が来たのに、数通に１通程度しか返信されず、記号や顔文字が減るなど不審点があったが「受験勉強が大変でなかなか連絡が取れない」などの説明を信じていたという。
ほかのメールでは「入院した」「都内に部屋を借りて１人暮らしする」と記されていたこともあった。最後のメールは昨年１２月上旬で「入試があるので連絡が取れなくなるかも。携帯電話の番号も変える。新しい連絡先を今度教えます」などとあった。同じころまでは利加香さんの携帯電話の番号で着信があったがすぐに切れ、かけ直すと留守番電話になった。その後は着信もなくなったという。
捜査本部は何者かが利加香さんの殺害発覚を遅らせる目的で偽装メールを送っていたとみて、岡本容疑者を追及する。
◇普通と変わらない親子に見えた…演劇サークルの友人
殺害された利加香さん（１９）と同じ明治大の演劇サークルに所属する友人ら３人が４日、報道陣の取材に応じた。利加香さん殺害容疑で逮捕された母親の岡本千鶴子容疑者（５４）について「利加香さんは夜遅くなると頻繁に電話がかかってくることを嫌がっていたが、普通と変わらない親子に見えた」と語った。
利加香さんは昨年３月、部員の紹介でサークルに入った。参加した公演では岡本容疑者と利加香さんのめいが一緒に訪れ、別の日は遺体で発見された兄の山内峰宏さん（３５）も来た。岡本容疑者と山内さんが差し入れに来たこともあった。
ただ、親しい友人に「本当にうちの家はいろいろある」「兄がいたけど小さい時にいなくなってそのまま」と漏らす時もあった。幼い子どもが近くにいた様子はなかったという。部員たちが最後に利加香さんに会ったのは亡くなる５日前、アメを差し入れてくれた時だったという。
ある女性部員は「もっと早く彼女の状況を把握できなかったのか、後悔している。ごめんねという気持ちでいっぱい」と語った。
|
 |
|
|
前の月