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2006/05/25(木)
ヤクルト ガトームソンが無安打無得点試合 楽天35敗目
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師弟対決第5ラウンドで古田ヤクルトが偉業を達成した。来日2年目のリック・ガトームソン投手(29)が楽天5回戦で史上72人目のノーヒットノーランを達成した。許した走者は四球と失策の2人で、チームでは97年石井一以来7人、8度目。交流戦では初。古田兼任監督にとって就任1年目でのサプライズで、楽天野村監督の前でメモリアル勝利を飾った。交流戦11勝3敗と「首位」を走る古田ヤクルトは待望の貯金1とし、本拠地でお祭りゲームを演じた。 お立ち台でヒーローインタビューを終えたガトームソンの横に、古田監督も並んだ。自らウイニングボールを手渡し、2人でカメラのフラッシュを浴びた。相手に有無を言わせない、ノーヒッターの快勝劇で待望の貯金生活。しかも、恩師率いる楽天相手の5連勝に、本拠地神宮のスタンドの興奮は、照明が消えるまで冷めなかった。 周囲の注目は「古田−野村」の師弟対決。だが、そんな因縁など、来日2年目のガトームソンには無関係だった。最速152キロの速球を主体に、スライダー、さらに今季から覚えた速いフォークで淡々と27個のアウトを重ねた。許した走者は失策、四球の2人だけ。こん身の139球で、米ワシントン州の高校時代以来、プロ人生では初の快投を演じた。「それまではみんな話していたのに、6回ぐらいから誰も声を掛けなくなっていたからね。でもナーバスになったのは試合が終わってからだよ」。 年俸4800万円の格安外国人が、これまでに脚光を浴びることはなかった。01年オフ、当時在籍していたパドレスから、右腕痛を理由に突然解雇された。「そんなに大したケガではなかったのに…」。翌年は、米独立リーグに所属しながらリハビリに専念。その後、マリナーズ傘下の3Aタコマでメジャー昇格を目指すうちに、ヤクルトからオファーを受け、日本行きを決意した。昨オフには、同郷のミッシェル夫人と結婚。今年2月には子宝にも恵まれた。「きちんと仕事をしなきゃいけないからね」。来日2年目の余裕とパパとなった自覚が、安定感にもつながった。 29年ぶりの兼任監督としてスタートした古田ヤクルトも、ここまでは苦戦続きだった。一時は最多借金7まで膨れ上がり、沈滞ムードが漂った。だが交流戦開始と同時に快進撃が始まった。この日も「選手・古田」を7試合連続スタメンから外し、好調の米野を起用。自らは采配に徹した。「米野がいいのは、監督としてうれしいこと。今年は育てながらやるわけですから」。1回裏の好機にはエンドラン、2盗塁と積極的に仕掛けた。貯金への強い意志の表れだった。 そんな中での快記録。「本人もうれしいだろうけど、チームにとっては勢いの付く勝ち方だったね」。古田監督は絶賛する一方で、ゴンザレスに登板機会を与えるために、26日には予定通り登録抹消する。ガトームソンは「ノーヒットノーランの翌日に登録を外れる初めての投手になるかもね」とおどけたが、長期戦を見据えた姿勢は変わらない。今後は巨人、阪神、中日との「4強」ムード。古田ヤクルトが最高の形で、混セに乱入してきた。
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