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2006/05/16(火)
横田滋さん 金英男さんの母に語りかけ…きずな強く結ぶ
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】「めぐみも英男さんも北朝鮮で元気に暮らしているのは同じ。我慢して、早くお母さんのもとで一緒に暮らせるように祈っています」。横田滋さん(73)が、めぐみさんの夫の可能性が高まった金英男(キムヨンナム)氏(44)の母崔桂月(チェゲウォル)さん(78)に話しかけると、桂月さんはハンカチで目を押さえた。10代の子を拉致され、長年にわたり苦しみを抱えた家族同士の初めての出会い。「国は違っても、家族を思う気持ちは同じ」。互いのきずなが強く結ばれた。 16日午後2時ごろ、桂月さんはピンクのシャツに白いズボン姿で、面会場所となったソウル市内の水産協同組合会館に現れた。英男氏の姉、金英子(キムヨンジャ)さんが支える。固く握手を交わした後、滋さんが「(孫の)キム・ヘギョンさんを元気で賢い子に育ててくれたことにお礼申し上げたい」と言うと、英子さんは「ヘギョンさんの顔を拝見しますと、面影が滋さんと似ているような気がします」と応じた。 時折目頭を押さえていためぐみさんの弟哲也さん(37)は「さまざまな苦境が浮かび、自然に涙が出た。私が一番大切なものは家族。韓国人は日本以上に家族や友情を重んじると思う」と話していた。 滋さんからは「祈りの塔」と名付けられた置物と、母早紀江さん(70)から託された手鏡と手紙が渡され、桂月さんと英子さんからは長文の手紙と陶磁器の湯のみ一式が贈られた。「いつもそばに置き、私たちを忘れないで」との思いを込めたという。 面会後の会見で、英子さんは「間近で会ってみて、『親せき』という気持ちが強まった。思いが通じて二つの家族が一つになれば、めぐみさんや英男が帰る日は近いと思った」と語った。
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