|
2006/05/01(月)
藍V逸で号泣…自己最高5位も異例の記者会見ナシ
|
|
|
藍、号泣−。30日の米女子ツアーの「ギン・クラブズ&リゾーツ・オープン」(リユニオンC=6531ヤード・パー72)最終日は、前日の3打差2位から日本人最速Vを狙った宮里藍は、76とスコアを崩し、5位タイに終わった。優勝は通算12アンダーの金美賢(韓国)。自己最高位を更新し、来季シードを確定的にしても、悔し涙が止まらない。宮里は異例の“記者会見ナシ”でコースを後にした。また、諸見里しのぶは通算13オーバーの79位。
最終日の“苦闘”を象徴するような幕切れだった。大観衆の拍手に迎えられた最終18番でまさかの3パットを喫し、3日目の4パットに続いて2日連続のダブルボギー。グリーン上からは笑顔で引きあげたが、スコアカードを提出し、緊張感から解放されると悔し涙が止まらなくなった。
一度外したサングラスを再び着け、サイン待ちのギャラリーの間を足早にすり抜けると、ロッカールームに引きこもり、報道陣の前に姿を現すことはなかった。
気遣って慰めたウェブから「今のアナタの精神状態では話すのは無理」とアドバイスされたという。
ホールアウト後、宮里が一言も話さなかったのは、日米のツアーを通じて初めて。
初めて経験する米ツアーでの最終日最終組で、宮里は朝から、勝ちに行く姿勢を前面に押し出した熱いプレーを見せた。1番で金にバーディーを先取され、4打差と広げられて迎えた2番。ピン位置は右奥、風は左から右と、宮里の持ち球では攻略が厳しい状況だったが、7Iで果敢にピンを狙いにいった。
キャディーが「あれはバッドショットだった」と振り返る一打は、右バンカーにボールの半分が埋まる目玉。難しいバンカーショットはグリーンを大きく越えて植え込みまで打ち込み、強引に打った3打目もグリーンに届かない。4オン2パットのトリプルボギー。前日までの好調からは予想もできない、早々の優勝戦線脱落劇だった。
しかし、金もスコアを落とし、再び3打差まで迫った距離の短い7番、宮里はティーショットを3Wで刻みながら、61ヤードの第2打を手前ラフにショートし、2メートルのパーパットも外した。
宮里はまだあきらめない。12、13番で連続バーディーを奪って、通算8アンダーまで伸ばし、今度は2打差に。
一気に畳み掛けたい15番。ティーショットは左のフェアウエーバンカーへ、残り117ヤードを9Iで狙ったが、再びグリーン左のバンカーにつかまった。グリーン上でも3パットし、ロスを最小限にとどめられなかった。
ショットはまずます、気持ちも十分。勝ち方はもちろん知っている。でも、そのすべてがかみ合わず、空回りを続けた。
そして18番…。米国で初めてトップの背中が見えた大会。キレずに耐えてきた強いキモチもさすがに力尽きた。
宮里は大会を終えた数時間後、マネジャーを通じて、「悔しいです。この経験を悔しさだけで終わらせず、次に生かしていきたいと思います。自分なりに見つけた課題を練習して、次の試合(再来週)に臨みたい」とコメントを寄せた。
宮里が今大会と同じように涙を流したのは、海外初挑戦で予選落ちした一昨年の全英女子オープン。苦しめられたパッティングを猛練習し、痛感したアプローチ技術も習得し、今へと至る飛躍の糧となった。
涙の数だけ強くなる−のが宮里。シーズンはまだまだ続く。
|
|
|
|