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2006/04/09(日)
904試合連続フル出場、阪神・金本が世界新記録
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阪神金本知憲外野手(38)が世界新記録を打ち立てた。9日横浜戦(大阪ドーム)を戦い抜き、連続フルイニング出場を904試合とした。記録保持者のカル・リプケン(元オリオールズ)からは祝福のビデオメッセージが届いた。試合後には壮大なセレモニーで阪神・横浜両チームや3万3438人の観衆、多くの野球ファンが偉業達成を祝福した。世界一の金本は「1500試合…できれば達成したい」と、さらなる挑戦を口にした。 金本は、電卓を叩いてみた。「3・136…」と並んだ数字に苦笑した。単独世界一に立つ日の朝、自宅で広げたスポーツ紙でソフトバンク王監督の談話を目にした。「1500試合は目指して欲しいね」という期待感に、こたえてみる気がわいてきた。 「今日のセレモニーを見ると、オレは引退するんかなと(笑)。年だ年だと思いつつ、他の選手と違うところを見せたいのもある。王さんの“1500試合を”というのを読んで、計算したのですが(笑)あと4、5年はかかるなと」 今季を全うし、さらに3シーズンに出続けても届かない。スケールの大きなハードルを掲げられた。出した結論は「出来れば達成したいですね」。会見場にどよめきが起きた。 前日8日のタイ記録に続き、チームは勝利で最高の舞台を整えた。4番打者としては初回1死一、三塁での二ゴロで先制の打点。だが快音は響かず、4回表には同点を許す失策も犯した。「ヒット1本でよかったんだけどな」と少し悔やんだが、プレーボールで飛び出したフィールドにゲームセットの瞬間まで立ち続ける“仕事”は果たした。引退試合と勘違いするほど派手で大掛かりなセレモニーで、足掛け8年に及ぶ偉業の重みをかみ締めた。 「究極の目標は、1度途切れた後の1シーズンにフルイニングに出ること」。 かねてから「美学」として温めていた。連続記録が途切れ、もう終わったと思われてからのフルイニング復活。あるいは42歳になる年に届く「1500試合」という金字塔。どちらも、世界中で金本だけが語ることを許された夢だ。 前記録保持者のカル・リプケンに対しては、尊敬の念が絶えない。「外野手より守備範囲は狭いかも知れないけど、運動量は上」という遊撃手として試合に出続けたこと以上に「MVPを2回取っただろう」と成績を伴っていたことに感心する。昨季はリーグMVPで、今季も連覇を狙うチームで主砲を張る。「記録とは別に、シーズンは始まったばかり。全身全霊をかけ、骨身を削って、タイガースとファンのために頑張ることを誓います」。セレモニーの締めは、力強い宣言だった。
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