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2006/04/30(日)
二岡が連続満塁本塁打 プロ野球史上初の快挙
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巨人二岡智宏内野手(30)が、プロ野球史に名を残した。中日との首位攻防第3戦で、4回第3打席と5回第4打席に、史上初の2打席連続満塁本塁打を放った。1回の第1打席でも3号2ランを放っており、3本塁打でセ・リーグタイ記録となる1試合10打点も記録した。2位中日に15−4で圧勝し、開幕以来連敗なしで4月を締めくくった原巨人の貯金は早くも「12」。さらなる5月攻勢へ、2日から敵地・甲子園に乗り込んで4・5差の3位で迫る宿敵阪神と激突する。 ダイヤモンドを1周する二岡を出迎えた原監督も、首をひねった。顔には「本当かよ!」と書いてある。史上初の2打席連続満塁弾。二岡自身もお立ち台で「自分でもビックリしました。初めてのことなので、うれしいです」と、驚き、笑った。 4回2死満塁は、スライダーを引っ張り、左中間スタンドへ運んだ。1回の先制2ランに続く4号に「完ぺきな当たりのいい本塁打でした。グローバーにもいい追加点になったと思いますよ」。記者席に届く広報コメントは、まだクールなものだった。続く5回も2死満塁。中日3番手ガルバは外角一辺倒。フルカウントの6球目の外角140キロ直球をさばいた。独特の弧を描き、打球は右翼席へ吸い込まれた。原監督に「高めの速いボールを、あの方向に打つ技術は誰にもマネできない」と言わせた芸術的な1発。これで打点は10。「2打席連続は史上初? え!ホントですか。すごいですね! 打点の球団新記録? 清原さんの記録を塗り替えたんだから素直にうれしいです」。まだセ・リーグタイ記録と知らない段階の広報コメントにも興奮がにじんだ。 7回2死一、二塁で第5打席。満塁ではないが、もう1発を期待する東京ドームは最高潮に達した。「ニオカ、ニオカ、4本目」の大合唱に、投手は勝負できない。1−3からの四球に大ブーイングだ。二岡も「(0−3からのストライクを)振りに行けばよかった。甘い球だったな。僕らしいけど」と悔しがった。 大爆発に驚きの1日となったが、二岡にとっては開幕こそビックリだった。新3番も初打席はバント。「これが今年の自分の役目」。今季最初のサインで、あらためて原監督の野球を確認した。以降は進塁打、右打ちと、ベンチの期待に応えてきた。ただ「打撃が小さくなってはいけない」とクリーンアップとしての準備は怠らなかった。前日29日から2日続けての早出特打で、長距離を放つタイミングをチェックした。原監督は言う。「ファンの皆さんにも、いろいろやる3番だなと、思ってもらった。本塁打は少なかったが、今日の3本で引き出しの多さをアピールできた」。大技、小技。二岡発のサプライズは、まだまだ起こりそうだ。
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