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2006/03/04(土)
荒川 魅せた凱旋イナバウアー
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トリノ五輪フィギュア女子金メダルの荒川静香(24=プリンスホテル)らが参加するアイスショー「シアター・オン・アイス」が4日、東京・有明コロシアムで開幕した。当日券400枚が急きょ販売されるなど、荒川の五輪後初の凱旋演技となった開幕公演は、満員の9800人の観衆で大盛況。金メダル効果で、5日も当日券が販売されることになった。
すでに日本で知らない人がいなくなった荒川の代名詞、イナバウアーの体勢に入っただけで、満員の観衆がどよめいた。ショーのラストに登場した荒川の演技は、トリノ五輪のエキシビションと同じ「ユー・レイズ・ミー・アップ」。大満足の9800人からは大きな拍手が送られた。
「誰に聞いても(イナバウアーを)ご存じでびっくりした。ふだんは目立たない技なのに、知ってもらえてうれしい」と反応の大きさに荒川も驚く。日本をメダルゼロの危機から救い、数々の快挙に彩られた金メダル。その威力は、チケット売り上げにも表れた。
伸び悩んでいた売り上げが、2月21日のトリノ五輪のショートプログラム後にSS席(1万5750円)から完売し始めた。わずかに残った当日券を求めて、この日朝9時半から購入希望者が殺到したため、急きょ予定のなかった400席の当日券を販売した。5日も当日券を販売する予定で、荒川人気のすさまじさを物語っていた。
五輪男子金のプルシェンコ(ロシア)ら他のメダリスト1人2組を従える形で主役を張った荒川だが、2月28日の帰国後もテレビ出演などの過密日程が続き「疲れがとれていない」とさすがに疲労は隠せない。五輪では3回転フリップだったジャンプもダブルアクセル(2回転半)に難度を落とし、会見中も眠そうな目を見せた。
それでも「メダリストというより、1つのショーの参加者として滑ることが楽しい」と喜んだ。20日開幕の世界選手権(カナダ・カルガリー)出場については「今、考えています」と話したが、凱旋公演の反響の大きさに、プロ転向の意欲も膨らんだようだった。
≪本田プロ転向宣言≫長く日本の男子を支えてきた本田武史(24)がリンク上で引退とプロ転向を宣言した。演技後にマイクを取った本田は「きょうが初めてのプロとしての演技。これまでたくさんの人に応援していただいて幸せだった」と話した。02年ソルトレークシティー五輪4位、02、03年世界選手権銅などの実績を残した男子の前エースは、92年アルベールビル五輪男子金のペトレンコ(ウクライナ)から「プロの世界へようこそ」と歓迎されていた。
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