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2006/03/03(金)
<国別対抗野球>日本、中国に圧勝 18―2でコールド勝ち
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野球の国・地域別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」1次リーグのアジアラウンドが3日、東京ドームで開幕し、王監督率いる日本は中国に18―2で八回コールド勝ちした。韓国は2―0で台湾を降した。 アジアラウンドは4チームの総当たりリーグ戦で行われ、上位2チームが12日(日本時間13日)から米カリフォルニア州・アナハイムでの2次リーグ1組に進む。4日は日本―台湾、韓国―中国の2試合が行われる。 ▽日本・西岡 (五回に勝ち越し3ラン)犠飛でも1点取るつもりで振った。自分はホームランバッターではないので、まさかこんな結果になるとは。最高の結果です。 ▽日本代表・福留 (五回にソロ本塁打)出塁することだけを考えている。西岡が(勝ち越し3ランを)打っていたので、楽な気持ちで打てた。 ◇試合の主導権を奪った松中 王監督が気にしていたのは初戦の入り方。実力では劣る中国が相手とはいえ、気合が空回りすることも考えられるし、重圧もかかる。一回の攻撃は三者凡退に打ち取られ、先発の上原は2死一、二塁のピンチを招いた。そんな中で試合の主導権を奪ったのは松中のバットと足だった。 二回だ。先頭の松中は、カウント0―1からの真ん中内寄りの直球に、体を鋭く回転させ、右翼右を襲う二塁打。1死後、三塁に進み、岩村の浅い左飛で、決して早いとは言えない足をフル回転して本塁に突入。先取点をもぎ取った。 3月21日からスタートした福岡合宿では調子がなかなか上がらなかった。日本代表の掲げる「スモール・ベースボール」を意識し過ぎたのか、体の回転が鈍くなり、スイングが小さくなっていったのが原因だった。それでも王監督は「4番はみんなから信頼されていること、一か八かの勝負ができること。松中はそれを示してきた」と、4番で起用し続けた。 主砲は言う。「(1日の巨人戦の3打席目の右前安打で)体をうまく回転して打つことができた」。開幕直前に不振脱出への光が差してきていた。四回にも左翼へ2打席連続となる二塁打を放った。 中国に四回、一度は同点とされたが、五回に西岡の3ランと福留のソロで突き放した王ジャパン。不安視されていた長打力不足も解消されつつある。【田中義郎】 ○…日本代表の初打点を記録したのは、背番号1を付けた岩村(ヤクルト)。二回1死三塁から左翼に犠飛を打ち上げ、走者の松中(ソフトバンク)を本塁に迎え入れた。「とにかくランナーを返すことだけに集中していた。最低限の仕事が出来た」と岩村。福岡での合宿期間中から今江(ロッテ)と三塁のポジション争いを繰り広げていたが、大事な開幕戦で6番に起用され、結果を残した。 ○…王監督が満を持して初戦の先発を任せた上原が、やや苦しんだ。象徴的だったのは2点リードで迎えた四回に、同点2ランを許した場面。1死一塁、カウント2―1から投じた変化球は高めで、投手有利のカウントだったことを考えれば不用意といわざるを得ない投球。王偉はこれを見逃さず右翼席にたたき込んだ。試合前、初戦の重圧をたずねられて「慣れてますから」と笑顔で答えていた上原。しかし、国際舞台で、やはり硬くなったのかもしれない。
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