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2006/03/26(日)
事故を謝罪すると言いつつ再び事故を起こしたロッテワールド
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ソウルのロッテワールドに26日朝、10万人の来場者が一気に押し寄せ、数十人が倒れて怪我をするという事故が発生した。この日ロッテワールドでは、今月6日に乗り物に乗っていた客が墜落して死亡した事件に関連し、謝罪の意味を込めて、無料入場イベントを行っていた。
ロッテワールドと連結している地下鉄の蚕室駅周辺には、未明から人出が押し寄せ、午前9時に入場が始まってから、わずか40分で受容限度の2万人を超えてしまったという。まかり間違えば、大きな事故につながりかねないところだった。
26日は、ほとんどの学校で前日の土曜日が休みだったため連休となった児童も多かった。無料開放のイベントを行えば、たくさんの市民が集まることは容易に予想できた。
警察も事故が起こる可能性に備えて、徹底的な準備を求める公文書をロッテワールド側に送ったという。ロッテワールド側も、新聞に出した公告で「快適な環境に向け入場者を制限することもありうる」と但し書きをつけた。来場者が殺到するという予想はしていたのだ。
同日、ロッテワールドを訪問した10万人のうち、入場できた客は2万2000人だった。残りの8万に近い市民たちは、身動きの取れない混雑のなかで、失望と苛立ちを抱いて帰っていった。
ようやく入場した人々にとっても、楽しい休日とはいえなかっただろう。ロッテワールドのアトラクションは37台。各乗り物ごとにおよそ500人が列を作ったことになる。果たしてこの状態で来場客が楽しむことが出来るだろうか。乗り物が過熱し、頻繁に作動が停止することも起きたという。
無料イベントを行うなら、インターネットによる抽選などで、チケットを予め配る方法を選ぶべきだった。そうしてこそ、事故も予防できた上、市民に不便をもたらすことも防ぐことができただろう。
しかしロッテワールドは、先着順で無料入場客を受け入れるという発想で臨んだ。市民たちが列を作って待とうが待つまいが、初めから関心はなかったに違いない。無料招待客を呼び込んでにぎやかになると、乗り物墜落事故で失墜したイメージや入場客の減少を挽回できるという浅はかな商魂が垣間見える。入場客が怪我をした同日の事故が、大参事につながらなかったのが幸いだったと言わざるを得ない。
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