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2006/03/22(水)
王ジャパンが凱旋帰国 WBC初代王者の日本代表
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米大リーグのトップ選手が初参加した野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で初代王者に輝いた日本代表が22日夜、成田空港着のチャーター機で約2週間ぶりに帰国した。 強豪キューバとの決勝から一夜明けた米国時間21日午後(日本時間22日早朝)に米サンディエゴを出発。アリゾナ州のキャンプ地へ移動したイチロー外野手(マリナーズ)と大塚晶則投手(レンジャーズ)のメジャーリーガー2人を除き、王貞治監督(ソフトバンク)や最優秀選手(MVP)に輝いた松坂大輔投手(西武)ら「王ジャパン」のメンバーが元気な勇姿を見せた。
■国別対抗野球 帰国の日本代表と別れ惜しむ イチロー
野球の国・地域別対抗戦、第1回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で頂点に上り詰めた決勝戦から一夜明けた21日、チームのけん引役となったイチロー(マリナーズ)は、帰国の途に就く他の日本代表メンバーと、当地の空港で最後まで別れを惜しんだ。 戦いを終えたイチローは、大塚(レンジャーズ)とともに米国に残り、オープン戦期間中のチームに合流する。空港では、帰国してシーズン開幕に備えるスーツ姿の王監督を前に握手を求め、固いきずなを確認した。 殊勲打を放った今江(ロッテ)ら共に戦ったナインに感謝の言葉をかける一方、キューバとの乱戦のきっかけになる失策をした川崎(ソフトバンク)には「油断しただろ」とジョークを交えてたしなめるなど、日本代表メンバーに一言ずつ添えた。イチローは一夜明けの会見で「喜びは、まだ続いている。一緒に日本に帰ってから(キャンプ地の)アリゾナに行きたいぐらいだ」と話した。
≪歓喜の瞬間 視聴率56%≫ ワールド・ベースボール・クラシックの決勝、日本−キューバ戦を二十一日昼に生中継した読売テレビ系番組の平均視聴率が、関西地区で40・3%(関東43・4%)だったことが二十二日、ビデオリサーチの調べで分かった。関東では過去五年間のスポーツ中継で、サッカーのW杯日韓大会の試合などに次ぐ十一位。近年、プロ野球・巨人戦の視聴率低迷が話題となるなか、久しぶりの高視聴率で、野球人気の再浮上への期待が高まった。 WBCの今大会で最も高い視聴率となり、国民的関心を集めた決勝戦。キューバの最後の打者が三振に倒れて日本の優勝が決まった直後、関東で瞬間最高視聴率56・0%。関西地区でもマウンド上で選手らがバンザイを繰り返す感動的なシーンが中継された瞬間に52・8%を記録した。国民の半数強が“世界一”の喜びを分かち合った計算になる。 昨年、プロ野球・巨人戦ナイターの関東の平均視聴率が過去最低の10・2%を記録するなど、人気の低下が心配されていた野球。しかし、日の丸を背負った選手たちの奮闘は、多くの人々をテレビにくぎ付けにした。 熱狂ぶりは数字にも反映され、過去五年間のスポーツ中継では、サッカー以外のスポーツで唯一40%超をはたし、昭和五十二年以降の野球中継で歴代三位となるなど、野球の可能性を改めて感じさせる結果となった。 ≪世界一効果で関連銘柄上昇≫ 野球のワールド・ベースボール・クラシックで、日本が世界一になったことが好感され、二十二日午前の東京株式市場では、日本代表のユニホームを扱っているミズノなど関連銘柄の株価が上昇した。 ユニホームや応援用Tシャツなどを販売するミズノは一時、前営業日比三一円高の八七七円、日本代表のユニホームの肩に社名が出ているアサヒビールも同三八円高の一七三四円をつけた。また、イチロー選手がテレビCMに出演している日興コーディアルグループは同五円高だった。 ≪スポーツ功労者 顕彰を政府検討≫ 小坂憲次文部科学相は二十二日の閣議後記者会見で、ワールド・ベースボール・クラシックで日本が優勝したことについて「堂々たる戦いぶりだった。王(貞治)監督や選手に対し、(国際大会で活躍した選手に贈る)スポーツ功労者として顕彰することを前向きに検討したい」と語った。 これに先立つ閣僚懇談会で、小坂文科相は「イチロー選手は特別な働きがあった。既に二回、国民栄誉賞を辞退しているが、匹敵する活躍だった」と発言した。安倍晋三官房長官は同日の記者会見で、「(イチロー選手が)『まだ早い』と考えているわけで、そのことは勘案しなければならない」と述べた。 一方、小泉純一郎首相は同日昼、記者団に「いやすごいね。興奮しながらテレビを見た。多くの人に興奮と感動を与えてくれた」と述べ、日本代表の活躍をたたえた。
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