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2006/03/11(土)
パラリンピック 小林が金、太田は銅 バイアスロン女子
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第9回冬季パラリンピック・トリノ大会第2日の11日、バイアスロン(12.5キロ)女子視覚障害の小林深雪(東京)が日本選手大会1号となる金メダル、女子立位の太田渉子(山形)は銅メダルを獲得した。日本女子は、競技初日だけで前回ソルトレークシティー大会の女子獲得メダル数(銅2個)に並ぶ幸先のいいスタートを切った。 男子は座位の長田弘幸(北海道)が13位、立位の伝田寛(長野)は17位だった。アルペンスキーは滑降(立位)男子でメダル候補だった東海将彦(東京)は日本選手最高の7位にとどまり、女子の佐々木如美(秋田)は13位だった。アイススレッジホッケーの日本は、1次リーグ初戦にスウェーデンと対戦。 ▽小林深雪選手 (涙ながらに)今日は練習通りやることができた。ここまで支えてくれた方々に感謝したい。長野の金とは別物。本当に練習してきたことの成果を出せた。 ◇恩師を表彰台に導き、満面の笑み…小林 圧勝だった。2位に大差をつけての金メダル。小林は「練習してきたことがそのまま出せた」と振り返ったように、重点的に取り組んできた射撃がものを言った。 1回に五つの的を狙い、これを4回繰り返しす。小林は3回目まですべてミスは0。そして、2位に2分近い差をつけて迎えた4回目の射撃。1発目を外したが、落ち着いて以降は四つの標的を射止めると、勝利をほぼ手中にした。 「昔のようにがむしゃらに走れなくなった」。98年長野大会は24歳で金メダルを獲得。近年は年齢から来る限界を感じていた。そこでライフル射撃の日本代表のコーチ歴もある香西俊輔氏の指導も受け、欧米勢との距離でのタイム差を、射撃の精度で詰める戦術を追及。距離だけの成績は4位だが、射撃の的中率は1位。大舞台では見事に結果を出した。 高校教諭の小林卓司さんは視覚障害スキーヤーのガイド(伴走者)をやっていたのが縁で、02年大会からコンビを組むようになった。「走りはよくなかった。勝因は射撃」と総括。だが、ガイドもメダルを手にするパラリンピック。「小林さんにやっとこれで『ありがとうございます』と言えます」。恩師を表彰台に導き、満面の笑みを浮かべた。 ○…バイアスロン女子12.5キロ立位で銅メダルを獲得した太田は日本選手団最年少。山形・北村山高1年の16歳は「今まで支えてくれた方々にメダルを掛けてあげたい」と笑顔をはじけさせた。射撃は、ミスを各回1度ずつにとどめて手堅くまとめた。ペナルティーは全選手で2番目に少ない4に抑え、初出場のパラリンピックでの最初の競技での表彰台につなげた。「今までにないくらい準備もしていたので緊張はなかった。レース中も普段と同じ」。大舞台にも強心臓ぶりを発揮して初陣を見事に飾った。
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