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2006/02/06(月)
東横イン 西田社長会見「すみません。すみません」
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開き直りから、謝罪の繰り返しへ−−。東横インの無断改築問題で自治体の全国調査結果が公表されたのを受け、同社の西田憲正社長（５９）は６日、東京・霞が関の国土交通省で記者会見した。約４０分間の会見中、ほとんどの質問にうつむきながら「すみません。すみません」「申し訳ございません」と繰り返すばかり。社長は障害者雇用の促進方針なども発表したが、具体的内容は「これから考える」と答えただけだった。
１００人近い報道陣が詰め掛けた会見場に現れた西田社長はやつれた表情。役員らとともに深々と頭を下げた後、西田社長は、数多くの法令違反が見つかったことや、これまでの記者会見での発言について「皆様にご迷惑をかけ、深くおわび申し上げます」と陳謝した。「自分自身を見つめて、自分は上等と思っていたことが本当に悔しい」と述べ、身体障害者の雇用促進や社外の有識者を交えた「施設法令監視委員会」の新設などを明らかにした。
西田社長は「利便性を追求しすぎた」と経営方針に問題があったことは認めたが、「違法改築を是認していたのでは」などの問いには、「私が悪いんです」「すみません」と答えるだけ。経営責任については「何とか（ホテルを）きちっと直してから、大家や社員の言われた通りにします」と述べるにとどまった。
無断改築問題が発覚した１月２７日の記者会見では西田社長は、身障者用客室について「年に１〜２人しか泊まらないし、通常の客には使い勝手が悪い」と発言。「時速６０キロ制限の道を６７〜６８キロで走ってもまあいいかと思っていた」と法令違反にも開き直ってみせていたが、その後、障害者団体などの猛反発を受けて態度を一変させていた。
◇東横イン 無断改築は全国７７件 ６０件が法律・条例違反
国土交通省は６日、全国３８都道府県１２２の系列ホテルについて、各自治体の調査結果を発表した。７７件が完了検査後に改造などが行われ、６０件が建築基準法や福祉目的のハートビル法など国交省が所管している法律・条例に違反。このほか１件、毎日新聞の取材で違反が明らかになった。同省は各自治体に対し、悪質な場合は建築主や建築士を建築基準法違反容疑で告発するよう求めた。
同省はこれまで調査対象を１２１物件としていたが、１月末までに完了検査を終えた１件を追加。法令違反の６１件のうち１９件は複数の法令に違反していた。また、６１件以外に４件が「精査中」となっており、福祉のまちづくり条例など独自条例は含まれていないため、すべての法令違反を含めると違反物件数はさらに増えるとみられる。
６１件の内訳は、建築基準法違反が３８件で、うち駐車場を会議室や客室に変えるなどした容積率の違反が最も多く２７件に上った。このほか、建築確認手続き違反、定期報告義務違反などもあった。
車椅子用駐車場を設置するなど利用しやすさを図るハートビル法は、０３年４月以降に着工した２０００平方メートル以上のホテルが義務の対象。対象の３１件中、点字ブロックの設置義務違反（１２件）など１８件で違反が判明した。
駐車場法に基づく車椅子利用者用駐車場設置などを定めた条例違反も、計２４件で台数を減らすなどの違反をしていた。
同省は、会社ぐるみで違法行為を行っていた疑いが極めて強いとみて、建築主や建築士の特定を急ぐよう各自治体に求め、週内にも関係自治体で意見交換が行われる予定だ。
※違反する法令は（１）建築基準法（２）ハートビル法（３）両法（４）駐車場条例（５）建築基準法と同条例（６）ハートビル法と同条例。国交省はこのほか、郡山（福島県郡山市）、さいたま新都心（さいたま市大宮区）、草加駅西口（埼玉県草加市）、金沢香林坊（金沢市）、松江駅前（松江市）、那覇新都心おもろまち（那覇市）でも法令違反があったと発表。毎日新聞調査では、新大阪中央口新館（大阪市淀川区）、大阪船場（同中央区）、神戸三ノ宮１（神戸市中央区）、神戸三ノ宮２（同）、長崎駅前（長崎市）、鹿児島天文館１（鹿児島市）、鹿児島天文館２（同）でも問題のある改造などがあった。
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