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2006/02/25(土)
松坂被弾「悪いところ全部出た」
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3月3日に開幕する国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の日本代表が、福岡ヤフードームで前夜に続き12球団選抜と対戦した。先発した松坂大輔投手(25=西武)は、3ランを浴びるなど4失点の4回途中68球で降板した。試合も日本代表が3−4で敗れたが、松坂は「悪いところが全部出た」と、球数制限のある本番を前に調整部分を自覚した。一方、野手は代表戦の怖さを再認識するなど、意味ある“敗戦”だった。 最低限のノルマと考えていた4回を投げ終えることなくマウンドを降りた。村田に勝ち越し3ランを浴び、続く細川を左飛に打ち取ったところで球数は68。3回2/3を5安打4失点。鹿取投手コーチにボールを渡し、小走りでベンチへと引きあげた松坂は「悪いところが全部出ました」と、サバサバした表情で振り返った。 エンジンがかかるまで時間を要する松坂は、球数制限の影響を最も受けやすいタイプとみられている。それは本人が誰よりも自覚している。「あらかじめブルペンで多めに投げるとか、そういうもので変えられるものじゃないんです」。制球力を武器とする上原、和田毅らが好投しただけに、球数に苦しむ姿が余計に浮き彫りになった。しかし、松坂は65球への“恐怖心”をきっぱりと否定した。 松坂「本塁打は投げ急ぐ僕の悪いクセが出ました。確かにスコアボードの球数を見て、あと何球と頭に入れながら投げてはいましたけど、球数を意識して投げ急いだということはない」。 体が開き、球離れが早いから甘いコースに入る。変化球が抜けたり、逆に指にかかりすぎて制球を乱す。球威不足。これらはすべて、例年、開幕前に味わう感覚で、球数を意識したからではない。「この時期に痛い目にあうのはいつものこと。逆にこういう試合でよかった」。滑りやすいWBC使用球対策として多めにつけたロージン(滑り止め)も「つけすぎました」と、量を調整する必要性に気付いたことも収穫だった。 WBCへかける意気込みは半端ではない。2月上旬、トリノでのIOC総会で12年ロンドン五輪の野球除外があらためて決まった時に、その思いは“使命”へと変わった。「僕らは何としてもWBCを盛り上げなければならない」。代表となった00年シドニー(メダルなし)04年アテネ(銅)と五輪の悔しさを晴らすためにも、アジア予選で負けるわけにはいかない。 松坂は試合後、だれもいなくなったグラウンドを黙々と走り込んだ。鬼気迫る表情。すべては3月4日をピークの状態を迎えるため。「1週間でいい状態に持っていける。それは心配していません」。台湾の強力打線はもちろん、65球の球数制限と戦う準備もできた。中6日で臨む大一番の結果で証明してみせる。
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