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2006/12/07(木)
桑田が4月までビザ交付されない
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巨人を退団し、米球界入りを目指す桑田真澄投手(38)に、思わぬハードルが立ちはだかった。米大リーグ傘下のマイナーリーグでプレーする外国人選手に必要な就労ビザが既に規定数に達しており、来年4月まで新たに交付されないことが7日、明らかになった。米政府が大リーグ関係者に非公式に伝えたもようで、現状ではマイナー契約は困難。メジャー契約または4月以降の途中入団と、極めて厳しい状況となった。だが桑田は「また、何か(動きが)あるでしょう」と話し、桑田サイドの代理人事務所はウルトラC準備と強気に構えている。 米国での移籍先を求めて、国内で自主トレなどに励みながら待機している桑田に、新たな関門が現れた。年俸など契約の条件面ならともかく、浮上してきたのは米国でプレーする上で絶対に避けて通れないビザ問題。取得しない限り、米国でユニホームを着ることは不可能なだけに、桑田は苦しい立場に立たされることになった。 マイナー契約の場合に必要な「H−2Bビザ」は年2回の申請を受け付け、各3万3000人に発給されるが、来年3月末までの期間の申請はすでに11月28日で終了。最短でも来年4月以降でないと新たに発給されないことが明らかになった。というのも、米政府は、01年9月11日の「米中枢同時多発テロ」以来、外国人の入国、ビザの審査・発給に厳しい姿勢を打ち出しており、再三、移民法などを改正してきた。今回の大リーグへの非公式通達も、それらの影響が強いものとみられる。 この情報を耳にした桑田はこの日、川崎市内の自宅に戻った際に、「あっそう。大変だねそれは。また何か(動きが)あるでしょう。決まったら発表しますから」と話した。 大きな壁となる可能性は高い。実際、昨オフには西武を退団し、ブルワーズとマイナー契約で合意した小関竜也外野手が、就労ビザを取得できずに米挑戦を断念。巨人入りした例もある。05年、ドジャースとマイナー契約を結んだ中村紀洋内野手(現オリックス)に大リーガーと同じビザが発給されたケースもあるが、その後は例外は認めないとの方針が大リーグ機構に伝達された。 桑田に残された道は(1)メジャー契約(2)マイナー契約を結び、新たに就労ビザが発給される4月まで待つ(3)メジャー契約を目指して未契約で渡米し、トライアウト挑戦。不合格なら帰国、といずれにしても平たんではない。現時点で桑田にメジャー契約をオファーした米球団はなく、その一方でオファー待ちで長期化すると、就労ビザの申請そのものが遅れてしまう可能性も出てくる。 巨人退団後の桑田は、不定期ながら川崎市内のジャイアンツ球場で練習するなど、プロ22年目の来季へ向けた準備を続けている。相談役となっている代理人グリーンバーグ氏の事務所側もビザ取得問題の対応に乗り出す構えも見せている。ファン注目の桑田の去就−。まだまだ目が離せない。
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