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2006/12/06(水)
多村、ソフトバンクへ 寺原とトレード
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横浜・多村仁外野手(29)とソフトバンク・寺原隼人投手(23)の交換トレードが成立し、5日に両球団から発表された。ソフトバンクはJ・ズレータ内野手(31)との残留交渉が難航し、大砲の補強が検討されていた。一方の横浜も先発の一角、門倉健投手(33)のFA移籍が決定的で、両者の思惑が一致したトレードとなった。多村は12日、寺原は7日に入団記者会見が行われる。
3番打者不在という難問解消に、これほどうってつけの人材はいない。FAで巨人から小久保が復帰したのに続き、多村の加入。日本一に輝いた2003年のダイエー時代、「井口、松中、城島」のトリオを中心に、プロ野球記録のチーム打率2割9分7厘をマークして他球団を震え上がらせた。王ホークスが、再び破壊力抜群の和製クリーンアップを結成する。
王監督にとっては、ノドから手が出るほど欲しい存在だった。今季こそ故障に苦しんだものの、04年に40発を放ち、05年に2年連続3割30本をマークした。今年3月のWBCでは「王JAPAN」の主力として世界一に貢献した。王監督は「あれだけ重たいバットを振れるのは、大したもの」と、フリー打撃での豪快なスイングに何度も見とれていた。
交換要員の寺原は、01年のドラフトで、指揮官が自ら抽選クジを引き当てた。思い入れは強く、両者のトレードはシーズン終了直後、いったん成立寸前まで至りながら、立ち消えになった。しかし、ここに来てソフトバンクはズレータとの残留交渉が難航。門倉のFA流出で先発投手が不足する横浜と、再び思惑が一致。苦汁の決断となった王監督は「本人にとってもチームにとってもプラスになるトレードだと思う。環境を変えて心機一転、チームも本人も良かったと言えるよう頑張ってほしい」と球団広報を通じてコメントした。
一方、ホークス打線は4番に左の松中を挟み、3番・多村、5番・小久保となることが濃厚。ズレータの去就は未定だが、10月23日のオーナー報告の席上で「スモールでは勝てないことが実証された」と宣言した通りの大型補強に成功。斉藤和を中心に12球団屈指の先発投手陣と、重量打線をそろえ、4年ぶりの日本一へ盤石の態勢を整えた。
◆WBCでの多村活躍VTR 王ジャパンの5番に座り、1次リーグで2本塁打し、2次リーグでは3番に昇格。準決勝の韓国戦では左翼手として、左翼ポール際への飛球をフェンスに体を激突させながらの好捕。さらに8回にはダメ押しのソロも放った。決勝のキューバ戦でも適時打を放つなど、全8試合にスタメン出場し日本代表最多の3本塁打、9打点を挙げ、世界一に大きく貢献し、王監督から高い評価を受けた。
◆多村 仁(たむら・ひとし)1977年3月28日、神奈川県厚木市生まれ。29歳。横浜高で94年春夏に甲子園出場。同年ドラフト4位で横浜入団。04年に打率3割、40本塁打、100打点を達成。今年3月にWBC日本代表として、3本塁打9打点で世界一に貢献。帰国後のシーズンはけがに泣かされた。179センチ、72キロ。右投右打。家族は妻と2女。
◆寺原 隼人(てらはら・はやと)1983年10月9日、宮崎県生まれ。23歳。日南学園で01年夏の甲子園ベスト8。大会史上最速の154キロを計測して話題になった。同年ドラフトで4球団が競合の末、ダイエー(現ソフトバンク)に1位で入団。02年6勝、03年7勝も故障などで04年から2年連続未勝利。179センチ、86キロ。右投右打。家族は妻と1男。
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