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2006/12/18(月)
桑田パイレーツ入り!背番号にこだわった18日18時に発表
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巨人を自由契約となり、米大リーグ挑戦を目指していた桑田真澄投手(38)が18日、東京・大手町の球団事務所で会見を行い、ピッツバーグ・パイレーツ入りの意向を表明した。現時点で正式契約には至っていないが、すでにパ軍側は契約書を送っており、事実上のパ軍入団が決定。代理人に頼らない直接交渉での米大リーグ入りは日本球界初の快挙だ。「お金では買えないものがある」と会見で強調した桑田。38歳、夢への挑戦はプライスレス−。
その笑顔に野球のできる喜びがあふれている。進むべき道を自らの手で切り開いた。ナ・リーグ中地区の古豪・パイレーツにいく。人生の大きな決断を下した桑田は、達成感をにじませた。
「来年プレーしたい球団を決めました。ピッツバーグ・パイレーツです。いくべき、いかなきゃいけない(と心情が変化して最後は)、いきたいと思った」
21年間、背負い続けたエースナンバー『18』を意識して、18日の18時から会見を開いた。午前中には、元巨人監督で背番号18の先輩でもある故藤田元司氏(享年74)の都内の墓前にパ軍入りを報告した。
前例のない交渉。自らが窓口になった。「辞書を片手に…。毎日英語を勉強することが今では楽しみになった」。パ軍関係者とは電話とメールで交渉を続けた。
大リーガーでも、選手本人が球団と交渉して契約を交わす例はフィリーズのジェイミー・モイヤー投手(44)やレッドソックスに移籍した際のカート・シリング投手(40)などまれ。代理人を雇わず、直接交渉で米大リーグ入りを決めたのは、日本人選手として初の快挙だ。
「お金だけで考えたらすぐレッドソックスにしていたと思う。お金だけでは買えないものがたくさんある。(メジャー挑戦の)趣旨は野球の修業にいくわけですから」
松坂、岡島が入団したレッドソックス、右ひじの手術を担当したジョーブ博士のいるドジャースからもオファーが届いた。条件のいい球団もあった。それでも、交渉人・桑田の出した答えは“プライスレス”だった。
その裏にはベテランらしい“計算”があった。パ軍投手陣に若手が多く、ベテラン投手を補強ポイントに置いていた事情を考慮。「メジャーかマイナー契約か。それはまだ言えない」と契約内容については明言を避けたが、マイナー契約をして早期のメジャー昇格を狙うことになりそうだ。
偉大な先人の存在も心を動かした。「ロベルト・クレメンテという選手がいた。もし、自分がプレーできれば何かを感じられると思った」。精力的なボランティア活動を行ってきた同氏の精神が、現在メジャーで毎年表彰される『ロベルト・クレメンテ賞』に引き継がれている。桑田の野球人生に影響を与えた1人だった。
「一日でも早くメジャーのマウンドに立ちたい。自分の野球を向こうで実践したい」
年明けに正式契約のために渡米する。過去、メジャーに挑戦した日本人選手は26人。昇格すれば、史上最年長のメジャーリーガーになる。数々の伝説を残してきた大投手が、もうひとつの伝説を球史に刻む。
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