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2006/12/17(日) 浅田2度転倒…連覇ならず銀
フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル最終日は16日、ロシアのサンクトペテルブルクで行われ、女子フリープログラムは、連覇を狙ったSP首位の浅田真央(16=中京大中京高)は冒頭のトリプルアクセルで転倒するなど、2度の転倒が響き103・18点で4位。合計172・52点でまさかの2位に終わった。SP2位の安藤美姫(18=トヨタ自動車)も失速し5位。村主章枝(25=avex)は4位だった。また、男子はSP2位の高橋大輔(20=関大)が日本男子過去最高の2位、織田信成(19=関大)も3位に続き、日本勢がそろって表彰台に上がった。

 怖いもの知らずの勢いで初優勝して1年。浅田が連覇を狙ったGPファイナルで、無念の表情を浮かべた。2度の転倒でフリーは4位。「きょうは思った演技ができずに残念。(トリプルアクセルは)今シーズン1回もきちっと跳べてないので、不安があった」と表情を曇らせた。

 「昨年は初めてだったので自分の中で真新しいきれいな気持ちでできた。今年は2回目だし、失敗してはいけないという気持ちだった」。重圧は想像以上だった。今年3月の世界ジュニアで敗れた金??兒(キム・ユナ=韓国)が自己ベストに近い得点を出した後の、最終演技。冒頭のトリプルアクセルで転倒すると、さらにもう1度転倒。コンビネーションジャンプも決まらず、得点が伸び悩んだ。

 挑戦する側から追われる立場に回り、今季は心理的に微妙な変化が生まれた。昨季より身長は4センチ伸び、安藤より高い1メートル63に。ジャンプの重心が変わったことで、成功率が低下した。GPシリーズ2シーズン目のスタートとなったスケートアメリカではSPで首位に立ちながら、フリーのジャンプで失敗し、3位に終わった。16歳の表情は、明らかに曇っていた。

 だが、今季初帰国した先月22日から北海道・苫小牧でラファエル・アルトゥニアン・コーチとミニ合宿を敢行。ジャンプの難度を上げて、NHK杯のSPで自己ベストの69・50点をマークした。翌日のフリーも130・02点の驚異的なスコアをマークし、スルツカヤ(ロシア)を抜く歴代最高得点で圧勝。GPファイナル進出には優勝しかなかった場面で見せた精神力はさすがだったが、この日は“若さ”が出てしまった。

 日本選手初の快挙はならなかったが、今季はまだ終わっていない。この表彰台で、日本人トップのメダリストとして、来年3月に東京で行われる世界選手権の切符はほぼ確実にした。天才少女に雪辱の舞台は用意されている。


■日本勢そろって体調不良が失速の原因か?

フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル最終日の16日に行われた女子フリーで、ショートプログラム(SP)首位の浅田真央(16)=中京大中京高=は2度転倒するなどミスが響いて2位に終わり、連覇を逃した。SP2位の安藤美姫(18)=トヨタ自動車=も5位に沈んだ。失速の原因は体調不良にあった。

 浅田は冒頭の3回転半と3回転フリップで転倒、コンビネーションジャンプも失敗した。鼻声で「風邪ではないと思う」と変調を否定したが、日本チーム関係者は「彼女は頑張るけど、ちょっと様子がおかしかった」と話す。

 腹の具合が悪かった安藤は、フリー最下位と崩れた。「試合に入ったらいけると思ったが、ふるえがきて、ふらっときそうになった。初めての経験でした」と控室で涙をこぼした。日本選手の急変で逆転優勝した金妍児(韓国)は「勝てたのはマオ(浅田真央)が失敗したから」と話した。

 男子で日本人過去最高の2位になった高橋大輔(関大)も、安藤と同様に風邪のような症状が出て「滑っているときにおなかが気持ち悪くなり、寒気がしてやめようかとも思った」と告白。SP終了時は男女アベックVも夢ではない状況だったが、体調不良というアクシデントに日本勢はやられてしまった。


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