|
2006/11/08(水)
日米野球 大リーグ選抜72年ぶり全勝 日本に5−3で
|
|
|
「日米野球2006」の最終戦が8日、福岡ヤフードームで行われた。大リーグ選抜が延長戦を5−3でサヨナラ勝ちし、対戦成績5戦全勝で全日程を終えた。大リーグの全勝は、ベーブ・ルース、ルー・ゲーリックら夢のチームを編成し16勝0敗だった1934年以来72年ぶり。最優秀選手には4本塁打を放ったハワード(フィリーズ)が選ばれた。 ○大リーグ選抜5−3全日本● 大リーグが延長十回、レイエスの右越え2ランでサヨナラ勝ち。2点を追う五回、2死一、三塁から城島の右前打で1点。六回にはハワードの右越え適時二塁打と中犠飛で逆転した。全日本は四回、新井、村田のソロで2点を先取。九回には大村の適時打で同点に追いつく粘りを見せたが、最後は力負けした。 ▽大リーグ選抜・ボウチー監督 チームが集合した時から全勝を狙っていた。若い才能だけでなく、それを試合で実践できる最高のメンバーだった。 ▽全日本・野村監督 2、3勝はしたい願望で臨んだが、メジャーとは差があった。パワーの面ではどうにもならない。辞退した選手がいれば、もう少し変わった結果だったかもしれない。 ◇「本気のメジャー」に押し切られ… 「全日本はよほどのことがことがない限り、このチームには勝てないだろうと思った。それだけの選手がそろった」 試合後のボウチー監督の言葉は誇張に聞こえなかった。大リーグ選抜はこの日も投打に圧倒的なパワーを見せつけ、72年ぶりの全勝を成し遂げた。 延長十回無死一塁で、23歳のレイエス。俊足巧打の1番打者だが、打席に向かう前にハワードから「ここでヒーローになることを恐れなくてもいいんだぜ」と、メジャーリーガーらしい激励。さらに、ヤフードームに駆け付けたメジャーファンから「ホゼ」コールが巻き起こった。 「(メッツの本拠地)シェイスタジアムでプレーしているようだった」と陽気なドミニカンは乗った。全日本・小倉の初球のシンカーをたたくと打球は瞬く間に右翼席へ。「もちろん狙っていた。最高の気分だ」と、歓喜の輪に飛び込んだ。 ボウチー監督は、レイエスや、ともに23歳のマウアー、ライトら「若い選手が素晴らしかった」と総括した。彼らがダイ、ハワード、A・ジョーンズら脂の乗った中堅とかみ合い伸び伸びとプレー。それだけでなく、六回無死一、二塁からは送りバントも試み、九、十回のピンチは惜しげもなく投手をつぎ込み、勝ちにこだわった。 そんな「本気のメジャー」に、全日本は押し切られた。
○…サヨナラ負けを喫し、5戦全敗となった全日本・野村監督は会見場に入るなり、「読み通りや」とこぼした。九回に2死から大村の適時打で同点に追いつく粘りを見せたが、「勢いがあったから、勝つときはあそこで一気に逆転するもの」とポツリ。十回にも2死一塁から里崎の右翼線を破る当たりがワンバウンドでフィールドシートに入り、エンタイトルツーベースになる不運も重なった。野村監督は「野球自体は日本の方が野球をやっていると実感した。選手たちはよく頑張ってくれた」と思いやりながらも、最後は「5連敗は時の運とあきらめている」と力がなかった。 ○…4連敗中の全日本は四回、新井と村田の2人が大リーグ選抜の右腕ラッキーからソロアーチ。意地のフルスイングを見せた。新井が141キロの直球を振り抜き、レフトポール際に先制弾を運ぶと、負けじと村田も左中間に。「勝てるように全力を尽くす」とナインを鼓舞した。
|
|
|
|