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2006/11/23(木)
桑田と松坂「背番号18」でファンに別れ
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巨人を退団して米球界に挑戦する桑田真澄投手(38)が23日、東京ドームで行われたファンフェスタに参加し、21年間慣れ親しんだ背番号「18」のユニホームに別れを告げた。決別のあいさつでは声を詰まらせながらも最後まで涙をこらえ、ナインから胴上げされた。今後はジャイアンツ、ドジャースが有力といわれる移籍先を決めることに専念する。 マウンド手前から見えるのは、いつもの対戦相手ではなく、1本のマイクスタンドだった。同じく巨人のユニホームを脱ぐ大西、堀田の右に桑田が立った。退団選手あいさつ。最後の桑田の番になると、詰めかけた約3万6000人の声にならない声が東京ドームを包み込んだ。 「さようなら。そして21年間、本当にありがとうございました」。うつむくこと2度。沈黙し、言葉につまった。スタンドから励ましの声が沸き上がった。桑田は両耳を赤くさせ、涙ぐみさえしたものの、決別のあいさつを言い切った。「涙を流すのは、親が死んだ時、最愛の人が死んだ時、自分が死ぬ時だけでいい。我慢しました」。最後までエースの意地を通した。 「今までされたことないですね」と振り返る初体験の胴上げでは、ナインの手で3度宙を舞った。イベントの紅白戦では白組の4番遊撃で先発出場。最後は遊撃からマウンドに立ち、李承●と対戦。初球は真ん中に123キロ。次いでアウトローに123キロを投げ追い込んだ。3球目は内角低めに126キロを投げ、空振り三振に仕留めた。東京ドームで最後の「18」は、満面に笑みをたたえ、躍動する姿をファンに見せた。 ユニホームを脱ぎスーツ姿になると、晴れやかな顔で会見した。「21年間良かったな。ありがたかったな、という気持ちでいっぱいです。18番を汚さないよう、ふさわしい投手、人間になるよう、自分なりに必死にやってきた。そういう気持ちをファンに伝えたいと思った」。移籍先はまだ不透明で、代理人も決まっていない。今後は「1日でも早く」移籍先を探すことに専念する。最後にブルペンに一礼し、18番は東京ドームを去った。 ●は火(ひへん)に華(はな)
また、来季の米大リーグ、レッドソックス移籍が確実なプロ野球、西武の松坂大輔投手(26)が23日、インボイス西武ドーム(埼玉県所沢市)でのファン感謝の集いで、最後の西武のユニホーム姿を披露した。約3万6000人を集めてのイベント。閉会のあいさつでは涙をこらえ、「日本代表、西武代表として、米国で頑張ってきます」とメッセージを残した。 チームメートが、祝福の胴上げで演出を凝らした。松坂投手はエキシビション・マッチ最終回の三回裏にマウンドへ。打者は自身が指名した和田一浩選手。事前に胸元への球を要求されていた。3球目。際どい球が行くと、両ベンチから選手がマウンドへ駆け寄った。乱闘を装っての胴上げ。2度、3度、宙に舞った松坂投手は「予期していなかった」。最後は和田選手を二ゴロに仕留めた。 閉会のあいさつでは、移籍には触れないつもりでいたが、ファンからの励ましに「8年間という短い時間でしたが、温かく応援……」。言葉に詰まって目が潤んだ。帽子を脱いでスタンドのファンに頭を下げ、別れを告げた。
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