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2006/11/16(木)
俳優の仲谷昇さん死去、フジ「カノッサの屈辱」教授役で人気
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舞台、映画、テレビで演技派俳優として知られた演劇集団「円」代表の仲谷昇(本名・仲谷昇流=なかや・のぼる)さんが16日午前7時22分、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患のため死去した。77歳だった。フジテレビ系深夜番組「カノッサの屈辱」(平成2年)の教授役などで人気を集めた仲谷さんは、「1日100本」と豪語するヘビースモーカーでもあり、2年前から重い肺気腫で入退院を繰り返していた。
深刻な呼吸困難を引き起こす肺気腫で2年ほど前から入退院を繰り返していた仲谷さんは、16日朝、自宅で体調が急変。都内の病院に運ばれたが、妻に看取られて、帰らぬ人となった。
仲谷さんは東京都出身。昭和25年、中央大法学部を中退し文学座演劇研究所に入所。座員となり翌年、「武蔵野夫人」で初舞台を踏んだ。
38年に文学座を脱退し、劇団雲を設立。50年には演劇集団「円」の創立に参画、平成4年から代表を務める一方、理知的な顔立ちとクールな語り口で、映画やテレビで名脇役として活躍した。
特に平成2年から放送されたフジテレビ系深夜番組「カノッサの屈辱」では、若者の間で人気を集めた。
昭和50年代以降のトレンドを、歴史教科書風に振り返るユニークな番組で、仲谷さんは進行役の教授を熱演。冒頭の「私の研究室にようこそ」のセリフは流行語にもなり、現在に至る深夜枠バラエティーの先駆けとなった。
一方、昭和29年に同じ文学座の女優、岸田今日子と結婚。劇団雲を共に立ち上げたり、テレビCMで共演するなど、おしどり夫婦として知られたが、52年に離婚した。
その後55年に、6歳年上のスタジオ経営者と再婚。17年後の平成9年に再び離婚した。この間に受けたテレビのインタビューでは「たばこを1日に80本から100本を吸うから、一緒に部屋にはいたくないでしょう。かといって今さら本数は減らせないし、止められるならとっくに止めている」と、極度の愛煙家ぶりが離婚の遠因になったと笑顔で話していた。
しかし、ヘビースモーカーがたたり、平成12年にぜんそくが悪化して入院。退院後は4年前に結婚していた3番目の妻が付き添い、自宅療養を続けていた。
仲谷さんの所属事務所では「昨日(16日)亡くなった、ということしか申し上げられない」としているが、個性派俳優の死を惜しむ声は続々とあがりそうだ。
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