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2006/10/04(水)
王子の勝ち!斎藤、完封&田中から決勝打!早実が2冠
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やっぱり王子がナンバーワン!! 早実が1−0で駒大苫小牧を下し、77年以来、29年ぶり2度目の優勝を飾った。夏の甲子園、国体の2冠達成は、昨年の駒大苫小牧に続き2年連続9度目、史上8校目の快挙だ。斎藤佑樹投手(18)=3年=は、ハンカチパフォーマンスを封印して完封勝利。四回には自らのバットで決勝点をたたき出し、田中将大投手(17)=3年=との勝負に決着をつけた。
あふれる思いを白球に込めた。1−0の九回二死一塁。斎藤が胸に手を当てて天を仰ぐ。これが高校野球生活最後の投球だ…。そのフィナーレを飾るのにふさわしいのは、やはり宝刀スライダー。鷲谷から空振り三振を奪うと、控えめに両手の拳を握りしめた。
「田中と決着をつけたかったし、今まで束縛されていたので、この大会は暴れてやろうと思っていました。有終の美を飾れてよかったです」
球場につめかけた7200大観衆の前で、甲子園に続く国体制覇の2冠達成だ。この試合はハンカチを封印。ライバルとの真剣勝負に徹した“王子”に、またひとつ勲章が加わった。
2勝1敗1分け。ついに駒大苫小牧にも勝ち越した。昨秋の明治神宮大会(準決勝、●3−5)で敗れた後、今夏の甲子園決勝、引き分け再試合、そしてこの日の国体決勝。4度目の対決で田中に初めて黒星をつけ、この世代のナンバーワン投手であることを結果で示してみせた。
被安打9。“ひぐま打線”の餌食になりかけた四回一死満塁、七回と八回の一死一、二塁のピンチを、いずれも併殺打で切り抜けた。打っても四回二死二塁からは右前へ適時打。両チーム唯一の得点で、勝利の女神を引き寄せた。
「これまでやってきたことが走馬燈のように思い出されます。1年生のころは、勉強と練習の両立が大変でした」。目を潤ませて振り返ったのは2年前の冬のこと。実家のある群馬・太田市から兄・聡仁さん(21)とともに上京していた斎藤が「ちょっと来てほしい」と母・しづ子さん(46)に助けを求めた。掃除、洗濯、なにより話し相手…。落ち着くまで3週間ほど、母の存在に救いを求めた。
それが次第に、上京するしづ子さんに「来なくても大丈夫」と言うようになった。前日(3日)も、観戦を前に「高校生最後の試合を楽しんでね」と母がメールを送ると「ありがとう。頑張るよ」と力強い返信。和泉実監督(45)も「チームの中で斎藤が精神面で一番成長した」という。
そして、すべてが終わった試合後。改めて「進学」を宣言したが“夢の続き”も明らかにした。「大学で4年間頑張ってからプロにいきたい。そこでまた田中と勝負して、プロ野球を2人で盛り上げられるようになれればいいですね」
サヨナラは再び会うまでの遠い約束−。握手して別れた最後の昭和生まれ、“ハンカチ世代”の中心に斎藤がいる。
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