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2006/10/18(水)
耐震偽造 藤田被告に有罪判決 虚偽登記罪で東京地裁
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耐震データ偽造事件で、増資を装ったとして電磁的公正証書原本不実記録・同供用(虚偽登記)罪に問われた民間の指定確認検査機関「イーホームズ」(東京都新宿区、廃業)社長、藤田東吾被告(45)に対し、東京地裁は18日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑・懲役2年)を言い渡した。青柳勤裁判長は「業績を上げるため法令の潜脱(脱法)もいとわない身勝手な考え」と述べる一方、起訴事実と耐震偽装との関連性は否定した。一連の事件で起訴された6被告のうち初の判決。 公判で検察側は「見せ金増資をもとに業務を拡大した結果、人手不足で十分な検査の実施に支障をきたした」として、起訴事実が偽装見逃しにつながったと主張。しかし判決は、見せ金増資とその後の検査業務で構造計算書の改ざんを見過ごした一連の問題との関連について「本件後の資本金増額や業務の拡大、国認定の構造計算プログラム変更など、さまざまな要素が介在している」と指摘。「見せ金増資と偽装見逃しに因果関係があるのかどうかは証拠上明らかでない」と判断した。 藤田被告も公判で見せ金増資を認めつつ、耐震偽装事件との関連を否定していた。 判決によると、藤田被告は01年10月に同社の資本金を約2300万円から約5000万円に増資したとする法人登記の変更を申請した際、実際には資金がなかったため、知人の司法書士(67)=起訴猶予=から一時的に借り入れた資金などで増資を装い、虚偽の登記申請をした。同社はこれをもとに同12月、検査機関の指定を受けた。 同社は元1級建築士の姉歯秀次被告(49)=建築基準法違反などで公判中=が強度を偽造した99物件中、37件の偽造を見逃し、5月に検査機関の指定を取り消されている。
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