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2006/01/07(土)
<JR下関駅放火>駅舎など焼失し、鎮火 全線運転見合わせ
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7日午前2時6分ごろ、山口県下関市竹崎町4のJR下関駅(角田譲治駅長)と南隣にある乗務員センターを結ぶ2階渡り廊下付近から煙が出ていると、JR職員から119番があった。火は強風にあおられて駅舎に燃え移り激しく炎上。木造平屋建て駅舎の東側部分と鉄筋4階建ての乗務員センター、隣接する飲食店と倉庫の延べ1万1400平方メートルのうち駅舎東側部分を含む約4046平方メートルを焼き約3時間後に鎮火した。駅構内と乗務員センターに宿直の職員ら36人がいたが、けがはなかった。
県警下関署は同日、住所不定、無職福田九右衛門容疑者(74)を現住建造物等放火容疑で逮捕した。
調べに対し、福田容疑者は「空腹でむしゃくしゃし、うっぷんを晴らすためにやった。倉庫付近で、ライターで紙に火をつけた」と供述している。
同署によると、福田容疑者は6日午後11時40分ごろ、駅構内を巡回中の署員に職務質問を受けていた。火災後、駅付近を捜索中の署員が駅から約350メートル離れた駐車場で再び福田容疑者を見つけ、事情を聞いたところ、容疑を認めた。発見時、小銭とライターを所持していた。
JR西日本によると線路や架線の損傷はなく、電気や信号系統への影響はなかったが、駅間連絡などに使う電話線がある配線室が焼失。即時に運行を再開できる状態ではないという。 また、架線への送電を止めた影響で山陽線の小月―門司駅間と山陰線の長門市―下関駅間で始発から運転を見合わせた。火災当時、運行中だった下りの寝台列車「あかつき・なは」が手前の厚狭(あさ)駅で、「はやぶさ・富士」は徳山駅で運転を取りやめ、乗客計約300人を山陽新幹線などに振り替えた。 下関地方気象台によると出火当時は風雪注意報が出ており、午前2時には約7.2メートルの風が吹いていた。空気は乾燥した状態だったという。 下関駅は1901年開業。現在の駅舎は関門トンネルが開通した42年に建てられ、現存する三角屋根の駅舎としては唯一の駅舎だった。
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