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2006/01/24(火)
堀江容疑者、社長辞任 後任、子会社から平松氏
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ライブドアは二十四日、証券取引法違反容疑で逮捕された堀江貴文容疑者が社長を辞任したと発表した。後任社長には、子会社で会計ソフトを手がける弥生社長の平松庚三・ライブドア執行役員上級副社長(60)が同日付で就任した。堀江容疑者が持っていた代表権は経理・財務担当の熊谷史人取締役(28)に付与した。経営陣の刷新による「新生ライブドア」をアピールする狙いだが、熊谷氏は株式百分割の「考案者」でニッポン放送株大量取得の主導者でもあり、信頼回復にはほど遠そうだ。 会見に同席した熊谷氏によると、社長辞任は堀江前社長本人の意向だという。ただ、取締役の辞任届は受理しておらず、当面は取締役にとどまるという。今後の進退についても未定だが、堀江前社長の有罪が固まれば、「(経営陣として再び)迎え入れるつもりはない」と断言した。 一方、ナンバー2で取締役の宮内亮治容疑者の辞任届は同日受理した。子会社のライブドアマーケティングも同日、岡本文人社長の逮捕を受けて、穂谷野智取締役を代表取締役に選んだ。 商法の規定で取締役会の決議には過半数の取締役の出席が必要だが、同社は堀江前社長を含めて六人の取締役のうち三人が逮捕され拘置中のため、正常な業務執行が困難と判断。円滑な経営を維持するため、同日開いた取締役会で急遽(きゅうきょ)、取締役以外からの社長起用など異例の人事を決定。経営機能のまひ状態からはとりあえず脱した。 会見で、熊谷氏は今後の経営について「ルールにのっとったいい会社をつくりたい」と表明。業務執行と監督も区分し、平松社長を委員長とする「経営委員会」を同日、設置したことを明らかにした。 一方でグループが解体の危機に直面していることについて、熊谷氏は、「会社の身売りは考えていない。資金繰りは安定しており、今ある資産を有効活用する」と強調。事件に関しては「捜査中なので言えない」としながらも「疑わしいことはあったと認識している」ともコメントした。 新社長の平松氏は、ソニーで創業者・故盛田昭夫氏の薫陶を受け、その後、社長として会計ソフトの弥生を優良会社に育てた。平松氏は会見で、「今の逆風を新しい形に持っていきたい」と抱負を述べた。 ◇ 【プロフィル】平松庚三氏 ひらまつ・こうぞう アメリカン大卒。昭和48年ソニー。AOLジャパン社長などを経て、平成12年11月からインテュイット(15年2月に独立し弥生へ社名変更)社長。17年3月からはライブドア執行役員上級副社長を兼任。北海道出身。
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