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2006/01/16(月)
<ライブドア>証取法違反容疑で本社、堀江社長自宅など捜索
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インターネット関連企業「ライブドア」(東京都港区)グループによる企業買収を巡り、堀江貴文社長(33)らが、自社やグループ会社の株価をつり上げる目的で虚偽事実を公表した疑いが強まり、東京地検特捜部は16日、証券取引等監視委員会と合同で、同社や堀江社長の自宅など関連先を証券取引法違反(偽計、風説の流布)容疑で一斉捜索した。ニッポン放送株のフジテレビとの争奪戦やプロ野球への参入表明、衆院選立候補などで注目を集めたIT時代の寵児(ちょうじ)による不透明な行為は、刑事責任を問われる。 関係者によると、ライブドアの関連会社「ライブドアマーケティング」(LDM、当時バリュークリックジャパン)=東証マザーズ上場=は04年10月25日、出版社「マネーライフ社」を株式交換で子会社化すると発表した。しかし、マネーライフは、それ以前に、ライブドアが出資して実質支配する投資ファンド「VLMA2号投資事業組合」に既に買収されており、子会社化発表の際にこれを隠して、虚偽の事実を公表した「偽計」の疑いが持たれている。 さらにLDMは同年11月12日、自社に利益はなかったのに架空売り上げを計上して利益があったように装い「第3四半期の売上高7億5900万円、経常利益7200万円、当期純利益5300万円で黒字化した」と虚偽事実を公表した「風説の流布」の疑いがある。 特捜部は、こうした虚偽事実の公表は、ライブドアの保有する株式の価格つり上げを図る目的だったとみている模様だ。 偽計や風説の流布は、相場を変動させるために他人を錯誤させる手段を用いたり虚偽の情報を流す行為。違反すれば5年以下の懲役か500万円以下の罰金が科される。 また、LDMはマ社を子会社化する際、1600株を新たに発行し、マ社株を100%保有する同投資事業組合との間で株式交換すると発表したが、実際に株式は交換されずにLDMに残り、市場で売却して資金調達した疑いも浮上している。 <ライブドア> 堀江貴文社長が東大在学中の96年4月に設立した有限会社「オン・ザ・エッヂ」が前身。97年7月に株式会社化し、00年4月に東証マザーズ上場、04年2月に現社名に変更した。検索や電子メールなどを組み合わせた巨大なインターネットのポータル(玄関)サイト運営をはじめ、買収などにより証券、金融、不動産など幅広く事業を展開。05年9月現在、資本金約862億円、従業員数699人。
■ライブドア広報出演予定の番組、テレビ東京が差し替え
テレビ東京は16日、ライブドアの広報担当者が出演する予定だった同日午後8時からの情報バラエティー番組「月曜エンタぁ!」を取りやめ、昨年10月31日に放送した番組に差し替えた。
番組冒頭などで「事前に発表された内容と異なっております。ご了承ください」などとする字幕を数回、流したという。
テレビ東京番組宣伝部は「ライブドアなどが東京地検の強制捜査を受けることになり、関係者が出演する番組の放送は控えるべきだと判断した」と説明している。
フジテレビは、21日放送予定の「めちゃ×2イケてるッ!」が、堀江貴文(ほりえ・たかふみ)社長をゲストに招いて収録済みだが、「対応は決まっていない」(広報部)。 テレビ朝日も、乙部広報担当に出演依頼した18日放送予定の「愛のエプロン」の収録を済ませており、28日には「SmaSTATION―5」の生放送に堀江社長が出演するスケジュール。テレビ朝日広報部は「捜査の行方を見守って対応を検討する」と話している。
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