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2005/09/02(金)
北野武監督が新たに挑戦“体感映画”で「最後の締めくくり」
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ビートたけしこと北野武監督(58)の最新作「TAKESHIS’(タケシズ)」(日本11月公開)が2日、「第62回ベネチア国際映画祭」のプレス試写でサプライズ上映され、コンぺティション部門に追加出品された。世界初公開となった同作に、各国プレスは大興奮。終了後、記者会見を行った北野監督は、今までの映画とはまるで異なる同作に「この映画は理解する映画じゃなくて“体感映画”」と胸を張った。
北野監督の新作が、ついにベールを脱いだ。
試写のプログラムには、「FILM SORPRESA(サプライズ上映)」とだけ記されていただけ。何が上映されるのかと息をのんで待っていた約800人の海外プレスたちのボルテージは、スクリーンに、「TAKESHIS’」のタイトルが上がった瞬間、一気にヒートアップした。
上映時間は、約1時間50分。北野監督独特のユーモアに何度も笑いがこぼれた。エンドロールで「監督・北野武」のクレジットが表示されると、客席からは惜しみない拍手が沸きあがった。
同作では、北野監督が、国民的スターとして活躍するビートたけしと役者を目指すコンビニ店員・北野武の2役を演じる。姿かたちの似た2人が偶然出会ったことから、お互いの空想が錯綜していく複雑なストーリーだ。
平成5年公開の自身4作目の監督作品「ソナチネ」の頃から10年以上構想を温めてきたが、難しい演出のため、すぐには着手できず、監督経験を重ねて12作目にあたる今回、ようやく実現した。
それだけに同映画祭では、1997年に、「HANA−BI」で日本人では、39年ぶりとなる金獅子賞(グランプリ)を獲得。03年には、「座頭市」で、同51年ぶりの監督賞など輝かしい受賞歴を持つ北野監督も会見場に登壇した際には、さすがに緊張した表情。
「これまで十何本撮ってきたが、それの最後の締めくくり。今までとは違う他の映画を撮りたいと思っていた。総集編でもある」と集大成的な意味合いを強調した。
また、「この映画は理解するんじゃなくて、体感する感じ。お客さんを混乱させたかった。楽しかった、つまらなかった、笑えた、泣けたという(ありふれた感想の)言葉に当てはまらない形容の仕方を期待している」と新たな挑戦をアピール。「それを意識して頭を揺さぶるような映画を作ったつもりです」と胸を張った。
すでに発表されていた19本のコンペ部門に突如現れた大本命。日本人史上初となる2度目の金獅子賞(日本時間11日未明に発表)が期待される。
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