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2005/09/17(土)
民主党 新代表に前原氏 菅氏に2票差
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民主党は17日午後、東京都内のホテルで両院議員総会を開き、岡田克也代表の辞任に伴う代表選の投票を行った。前原誠司「次の内閣」防衛庁長官が96票を獲得し、94票の菅直人元代表を2票の小差で破り、新代表に選出された。岡田氏よりも9歳若い43歳の前原氏が代表に就任したことで、同党の世代交代は一気に進んだ。前原氏は労組依存体質の打破や党内人事での能力主義の徹底を掲げているが、衆院選に惨敗した党再建の道のりは険しそうだ。 代表選は党所属国会議員(計194人)による無記名投票で行われ、投票総数は192票。有効投票は190票だった。前原氏の任期は、岡田氏の残り任期の来年9月末まで。 前原氏は代表選後のあいさつで「日本の民主主義を機能させ、国民の生活を向上させるわが党の使命は極めて重い。全身全霊をかけて、政治生命をかけてこの仕事を全うすることを誓う」と表明した。前原氏は記者会見で、党の立て直しについて「意見が合わないものについて先送りしない。まとまったものは徹底的に国会で対峙(たいじ)していく。本気で政権を取ろうとしているかが問われている」と述べ、与党と対決する「闘う政党」に徹することを強調。代表選後は「挙党体制であたる」ことに改めて言及した。 前原氏は党人事について「能力主義で適材適所でやっていく」と党内のグループのバランスよりも能力主義を優先させるとし、労組との関係について立会演説会で「既得権益、しがらみにとらわれないのが党の原点」と述べて見直す方針を明確にした。 21日開会の特別国会をにらみ、前原氏は直ちに執行部人事に着手し、代表を補佐する役員室長に当選3回、34歳の細野豪志衆院議員を充てる人事を内定した。20日開催の両院議員総会で、三役人事の承認が得られるよう調整を進めている。関係者によると、幹事長など主要ポストの候補者には野田佳彦元国対委員長らの名前があがっている。 特別国会で再提出される郵政民営化法案への対応については「重要政策は常に対案を示す」としており、郵便貯金の預け入れ限度額を引き下げる対案を法案提出して、政府・与党と対決する構えだ。 前原氏は憲法改正について「改正は必要。9条2項は削除し、自衛権を明記したい」と強調。9条改正に当たって自民党との協力については「しっかり議論し、まとめていくべきだ。何でも反対の野党にはならない」と述べた。 代表選は、前原氏が中堅・若手の支持を取りつけ、菅氏は同氏に近いグループや旧社会党系議員に支援される構図で、基礎票は拮抗(きっこう)。だが立会演説会での前原氏の「民主党を闘う集団に変える」などの訴えが、投票を決めかねていた若手らに好印象を与えて接戦を制したとみられる。 ただし、前原氏の改憲積極姿勢や安保観に対し旧社会党系議員らが反発しているうえ、世代交代が急速に進むことにベテラン議員の警戒感もあり、党運営には強力な指導力を求められそうだ。 前原氏は京大法卒。松下政経塾出身で、京都府議を経て93年、日本新党から初当選し、当選5回。新党さきがけを経て旧民主党入りした。
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