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2005/08/22(月)
<高校野球>連覇の駒大苫小牧高で野球部部長が部員に暴力
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第87回全国高校野球選手権大会(日本高校野球連盟、朝日新聞社主催)で57年ぶりの連覇を達成した駒大苫小牧高(北海道苫小牧市、篠原勝昌校長)で野球部長(27)が6月、8月の2度にわたり、同一の3年部員に殴るなどの暴力を加えていたことが22日、明らかになった。同校は同日、この部長を謹慎処分とした。同校は保護者からの連絡で今月初旬に事実を把握していながら、日本高野連に報告せず、そのまま出場していた。 23日に札幌市、苫小牧市の2カ所で予定している優勝報告会は、部長を除いて予定通り出席するという。 同日夜、会見した篠原校長によると、部長は今年6月2日、同校グラウンドで朝練習をしていた際、3年の部員がミスをしたことに腹を立て、平手で顔などを数回殴ったという。さらに、大会期間中の8月7日、大阪府池田市内の宿舎で、食事をめぐって、この部員を別室に呼び出して、自分のスリッパで頭を殴ったという。 篠原校長は高野連への報告を怠った理由について「子供の将来を考えて対応が遅れた。粛々と大会が進んでいたので、関係者に迷惑をかけたくなかった」と話している。 部長は苫小牧駒沢大を卒業後、01年に駒大苫小牧高の事務職員に採用され、同校野球部の副部長に就任。今年4月から教員になり、部長に昇格した。この部長は学校側の聴取に「申し訳ない。体罰的暴力をおかした」と謝罪しているという。 野球部の暴力をめぐっては、同大会前に明徳義塾高(高知県)が部員の暴力と喫煙が発覚し、同大会出場を辞退した。日本高野連の田名部和裕参事は「(不祥事の報告について)各校には、速やかな対応を求めていただけに残念だ。今後の対応は学校から詳細を聞き協議したい」と話している。 【メモ】駒大苫小牧 1964年開校の私立校。開校と同時に野球部も創部。夏の甲子園の出場は3年連続5回目。昨夏は決勝で済美(愛媛)を降し、北海道勢初の全国制覇。今年も20日の決勝で京都外大西(京都)を破り、夏の大会では57年ぶりとなる連覇を果たした。アイスホッケーとスピードスケートは強豪。 ◇トップから襟を正せ スポーツジャーナリスト・二宮清純さんの話 暴力行為はあってはならない。野球部のみならず、一部の体育会指導は「少々の暴力はいい」「愛のムチ」という考えが残り、暴力に対する神経がまひしている。今回の大会は、(明徳義塾高の)暴力に始まり(駒苫の)暴力で終わった。事実を速やかに報告しなかった駒大苫小牧高にも批判が集まるだろうが、大切なのは高野連が「暴力追放宣言」を出して、トップから襟を正すことだ。
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