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2005/08/02(火)
羽田空港 トラブル続き、相次ぐ「空」への不信の声
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夏休みで混雑する羽田空港で、管制システムがダウンした。飛行機の発着がすべて止まり、旅行や出張に出かける人は異常事態に混乱。約1時間後に復旧したが、トラブル続きの「日本の空」に不信を口にする人が相次いだ。 羽田空港第1ターミナルの出発ロビーは、運航再開を待つ帰省客やビジネスマンなどで込み合った。搭乗受付再開のアナウンスが流れると、待ちかねたように窓口に長蛇の列ができた。 出張のため福岡空港に向かうという食品メーカーの男性社員(70)は「急いで行こうと思い、新幹線より早い飛行機にしたが、タイミングが悪かった。ただ待つしかない」とため息をつき、背広を脱いでソファに座っていた。 双子の男児(1歳)を連れ、家族で徳島県に帰省する東京都北区、会社員、吉田浩司さん(34)は、搭乗受付の列に並びながら、「予約したチケットを受け取ろうとしたら、トラブルが起きたと知らされた。再開のめどが立ったみたいなので、ホッとしている」と話した。 川崎市宮前区の主婦、岡田節子さん(61)は、夏休み中の孫娘(7)と、午後1時10分発鹿児島行きの便で帰省する途中だった。「早めに空港に着いたら、システムがダウンしたと聞いて……。孫にとっては初めての鹿児島、初めての飛行機だったのに」と残念そうに話していたが、正午過ぎに離発着再開の放送が流れると、「ああ、良かった」と顔をほころばせた。 徳島県まで出張する男性会社員(62)は相次ぐ空のトラブルに「たるんでいるのだろう。しっかりしてほしい」と話した。 このトラブルで、各地から羽田に向かう便も出発できない状態になった。全日空の広報担当者は「何便が遅れるか、いつダイヤが正常化するか全く分からない」と頭を抱えた。 全日空の予約窓口には、予約客らからの問い合わせが殺到。「あまり聞かないトラブル。影響を最小限にくい止めるよう務めたい」と話した。 埼玉県所沢市の国土交通省東京航空交通管制部によると、午前11時33分ごろ、羽田空港の管制を通じて「回線が断した」と連絡が入った。このため、離陸予定の航空機に対して、「上空での待機」を指示するとともに、別の空港への着陸の振り分けを促したという。午後零時24分ごろ、羽田空港より復旧の連絡が入ったという。溜池邦博次長は「24機を待機させ、15機を成田や中部へ振り分けた。こちらとしては事故もなく、的確な振り分けができたと思う」と緊迫した声で話した。 同管制部では洋上を含む東北地方から中国地方までの日本が管轄する空域の約70%を担当し、各空港に離着陸したり管轄空域を通過したりする航空機に対し、航空路管制と進入管制をしている。
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