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2005/08/18(木)
大阪桐蔭・平田3発14塁打!清原超えた新怪物
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(第87回全国高校野球選手権大会、準々決勝、東北4−6大阪桐蔭、第13日、18日、甲子園)なんと“清原超え”。甲子園に新怪物登場だ!! 大阪桐蔭(大阪)の4番・平田良介中堅手(3年)が、準々決勝の東北(宮城)戦で二回、四回と2打席連発弾。七回にもバックスクリーン右に逆転2ランを放ち、昭和59年(第66回大会)のPL学園・清原和博(現巨人)以来、史上2人目となる1試合3本塁打をマークした。五回の二塁打とあわせて『14塁打』は1試合最多塁打の新記録。歴史的な3発で6−4の快勝&4強進出を導いた新怪物。海の向こうでは“元怪物”のヤンキース・松井秀喜外野手(31)も仰天した。〔写真:2度あることは3度あった。七回、平田がバックスクリーン右にこの日3本目のアーチをかけた。3発で清原に並び、14塁打は“清原超え”。ヤ軍松井もビックリの新怪物だ〕
伝説が聖地に舞い降りた。3万大観衆のどよめきと拍手に包まれて、新怪物が胸を張ってダイヤモンドを1周する。
平田のバットが歴史を弾き出した。1点を追う七回一死三塁。逆転2ランが逆風をついてバックスクリーン右に突き刺さる。高校通算69号となる130メートル弾は、この日3発目。昭和59年の清原に並ぶ史上2人目の1試合3ホーマーの快挙だ。平成17年8月18日、新怪物伝説が誕生した。
「(七回は)きょうは自分が何かやると思ったので、まわしてくれと思っていました。何度でも打てると感じていた。かなり満足のいく当たり。清原さんとタイ記録? 泣きたいくらいうれしいです」
驚弾は二回だった。打った瞬間、本人だけではなく東北バッテリーも思い切り顔をあげた飛球。三飛? いや、左飛? なんと、左翼席に飛び込んだ。
激弾は四回だった。左中間席に2打席連続の120メートルソロアーチ。さらに五回一死一、二塁では右翼スタンドまであと20センチというフェンス直撃の適時二塁打。惜弾となったが…。七回に打ち直しの伝説弾だ。“ほとんど4発”の4打数4安打5打点。大会新記録の14塁打は“清原超え”。新怪物が産声をあげた。
怪物伝説はグラウンドにとどまらない。本塁打を量産するバットは長さ84センチ、重さ916グラム。長距離砲は遠心力を利用するため、普通は先端に重心があるものを好むが、平田の場合は真ん中。これだと実際の数字より重たく感じると用具メーカー担当者はいう。「この型を使うのは全国でも平田くんだけ。みんな重くて使いこなすことができませんから」。オンリーワンのバットが歴史を作った。
好きな言葉は「世界平和」。実は3年前、巨人宮崎キャンプで清原が青島神社の絵馬にしたためた言葉と同じだ。小さいころ、テレビの中でだれかが笑うと一緒に笑う子供だった。涙は嫌いだった。野球をするのは一番笑えるから。自分の周りの人を幸せにできるから。だから−。
大阪大会で再発した右足首痛に加え、寝違えも発症している。満身創痍(そうい)の状態にも平田は笑った。「試合になれば痛みは忘れます。足が壊れてもいい。それが高校野球ですから」。頂点まであと2勝。世界平和を目指して? くしくも清原の38歳の誕生日に肩を並べた主砲が、身上のフルスイングで14年ぶりのVを呼び込む。
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