|
2005/08/16(火)
地震 宮城県川崎町で震度6弱 各地で被害 けが人多数
|
|
|
16日午前11時46分ごろ、東北地方で強い地震があり、宮城県川崎町で震度6弱を記録した。北海道から近畿にかけて震度5強から1を観測した。気象庁によると、震源地は宮城県沖で、震源の深さは約42キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7.2と推定される。東北地方で震度6弱以上の地震を観測したのは、03年7月26日の宮城県北部の地震(M6.4)で震度6強を観測して以来という。 この地震で、仙台市泉区松森にある「スポパーク松森」でプールの天井が落下、宮城県警によると、20人近くが重軽傷を負った。他にも同県蔵王町と大河原町、福島県新地町で各1人がけがをした。 午後0時12分、石巻市鮎川で0.1メートルの津波が観測された。気象庁は今後さらに大きな津波が到達することも考えられるとして、宮城県の沿岸に津波情報を出し、警戒を呼びかけている。 また、埼玉県加須市志多見で午前11時46分ごろ、木造瓦ぶき平屋建て家屋が倒壊。この家に住む女性(80)が一時閉じ込められたが午後12時34分、消防に救出された。 仙台市など各地でマンションやビルのエレベーターに閉じこめられたとの救助要請が入っている。 JR東日本によると、地震発生の午前11時46分、東北、上越、長野新幹線の全線、東海道新幹線東京−小田原駅間で早期地震検知システムが作動し、緊急停止した。その後、同54分に上越、長野新幹線、同58分に東海道新幹線が運転再開した。 在来線は、宮城、福島、山形県で全線が停止。関東では横須賀線大船−逗子間が停車した。また、仙台市営地下鉄でも全線で運転停止。乗客は全員、最寄り駅で降り、けが人はなかった。 また、日本道路公団東北支社によると、仙台北部道路が上下線で全面通行止めとなったほか、東北自動車道など福島、山形、秋田、岩手県の自動車道8線で一部通行止めとなっている。 国土交通省仙台管理事務所によると、仙台空港は午前11時48分、一時、空港を閉鎖。その後、安全が確認されたため、正午に再開した。この影響で11時40分発予定だった仙台発那覇行きの全日空463便が24分、出発が遅れるなど、計2便に遅れが出た。また羽田空港でも午前11時55分から5分間、安全確認のため、空港を閉鎖した。 気象庁の関田康雄・地震情報企画官は会見し、今回の地震について「太平洋プレートと陸のプレートの境界付近で発生したとみられる。今後1カ月間程度は震度5弱程度の余震は今後もある」と述べた。想定される宮城県沖地震との関連については「地震の規模は想定されるものより小さい」との認識を示した。
■10時間ぶり運転再開=東北新幹線、7時間缶詰めも−116本運休、10万人影響
宮城県南部で震度6弱を観測した地震の影響で、全線で運転を見合わせていた東北新幹線について、JR東日本は16日午後9時47分、東京〜仙台間で約10時間ぶりに運転を再開、続いて仙台〜八戸間も再開した。 上下線で計116本が運休し、約10万3000人に影響が出た。同社は17日未明に東京に到着する乗客のため、山手線など首都圏の在来線で終電後も臨時電車を運転。早朝の電車を利用する乗客には、休憩用の電車を東京駅に用意した。 同社によると、地震発生時に運行していた新幹線は14本で、すべて緊急停止した。大半は数時間内に近くの駅に移動。一部区間では電線が切れるなどして送電の復旧が遅れ、白石蔵王〜仙台間と仙台〜古川間に停止した2本は乗客計約1050人を徒歩で最寄り駅まで誘導した。 また、仙台〜古川間に停止した別の2本は16日午後7時ごろ運転再開し、最寄り駅まで運行。乗客計約2210人が約7時間にわたり、車内に閉じ込められた。
|
|
|
|