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2005/07/05(火)
<郵政法案>参院での成立、不透明に
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郵政民営化関連6法案は5日、衆院本会議で可決され、法案審議は参院に舞台を移す。だが「衆院解散」で脅し反対派を切り崩そうとしたにもかかわらず、衆院で自民党から37人の反対者が出たことは、小泉純一郎首相の求心力低下が深刻なことを浮き彫りにした。廃案を目指す同党の民営化反対派は「執行部を追い込みつつある」と勢いづいており、青木幹雄参院議員会長による掌握力の強い参院でも緊迫感が強まりそうだ。 「大差の可決はないと思っていたが、これだけの小差とも思わなかった」。自民党の片山虎之助参院幹事長は5日の記者会見で、衆院採決が予想外の結果だったことを率直に認めた。参院は解散がないため、首相の解散カードは通用しない。矢野哲朗参院国対委員長は、あいさつに訪れた小泉首相に「(参院審議は)丁寧にお願いしたい」と注文をつけた。 郵政法案は当初から、衆院より参院の方が厳しいとみられていた。与野党の議席差が衆院の3分の1程度にとどまるためだ。衆院では47人の反対まで許容できたが、参院は18人が反対に回れば否決してしまう。 参院で否決されても再び衆院で可決すれば成立する。だが、それには3分の2以上の賛成が必要。今回の造反状況を当てはめれば不可能な情勢だ。参院での否決は事実上の廃案を意味し、衆院解散という最悪の事態に直結しかねない。衆院段階で法案を修正したのも、数の上できわどい参院の審議を円滑にするためだった。しかし、参院の自民党幹部は衆院の結果について「野党は不信任案を衆院で使わず温存した。しかもあの票差。最悪の状態だ」と危機感を示し、公明党の参院幹部も「解散も覚悟してやらないと危ない」と強い口調で話した。 一方、民営化反対派は衆院本会議後、約40人が党本部に集合し、「これからが始まりだ」「参院では必ず勝てる」と気勢を上げた。会合には、参院からも反対姿勢を明確にしている長谷川憲正、荒井広幸両議員らが出席した。もともと民営化への反発は、全国特定郵便局長会などとの関係が深い参院の方が強く「本音を聞けば参院に賛成はほとんどいない」(参院幹部)のが実態。薄氷の勝利で衆院を乗り切った首相だが、参院のハードルは高くなっている。
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